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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1337】龍力 純米 ドラゴン エピソート3(たつりき)【兵庫】

2013.11.5 18:45
兵庫県姫路市 本田商店
兵庫県姫路市 本田商店

【U居酒屋にて 全11回の③】

 オタマジャクシ&U&美女軍団と久しぶりに飲んだ。それぞれ単独の顔を見たり、あるいは単独で飲んだりしたことはあったが、フルメンバーで飲むのはおよそ5カ月ぶり。飲み会の場所は、オタマジャクシ(蛙のわたくしが年長なので、彼はオタマジャクシを自称している)推薦のU居酒屋。

 ここの店主は、お茶目なラベルの酒を入れるからうれしい。遊び心たっぷりのラベルは、わたくしの最も好むところで、面白ラベルを見ると、逆上してしまい理性を完璧に失う。

 トップバッターとしていただいたのは計画通り「安芸虎 千本錦 ひやおろし 純米」。メンバーが揃うまで、わたくしは店の酒メニューを見ながら、どの酒から飲み、以下、どういう順で飲み進めるか、いちおう考えていたのだ。

 ところが、この浅知恵計画は早々に破綻する。わたくしが目を離した隙に、美女軍団が計画に無い「三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ 生詰」の瓶を勝手に出してもらい、くいくい飲んでいるではないか! わたくしの飲酒計画はあえなく破綻。あわてて、後追いの形でわたくしも「三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ 生詰」を飲む。

 美女軍団に追いついたつもりだったが、美女軍団は、あろうことか「わっ、このラベル、かっわいい~~ぃ♪」とはしゃいでいる。ん? なんだなんだ、どうしたどうした、とおもって高デシベルボイス方向を見ると、美女軍団、こんどは龍の面白ラベルの酒を勝手に飲み始めている。オタマジャクシが「おいおい、お前ら、興奮するんじゃないっつーの」と何度か教育的指導をして抑えにかかるが、それを「はい、はい」と聞く美女軍団ではない。

 騒乱状態の中、わたくしは、それも飲みたい、飲まなければならない、飲む、の「飲む三段活用」で、再びあわてて、美女軍団を後追いし、わたくしも飲むことにする。

 なんと、このお酒は「龍力 純米 ドラゴン エピソート3」だった。わたくしが知っている「龍力」とは全然違う“顔”をしている。いただいてみる。

 美女Fさん「適度にフルーティーで好きです」

 U 「ラベルを見ると、濃くて重そうで、すごそうな酒におもったけど、飲んでみるとラベルの印象とは違う。好きだな」

 美女Mさん「苦みを感じます」

 酒蛙「酸が前面に出てくる。旨みは厚すぎず適度。熟成感を感じる。香りは抑え気味」

 美女Fさん「やっぱりね。わたしも熟成感がいらっしゃるとおもった」

 酒蛙「いままで『龍力』に持っていたイメージとは全然違う酒だあ。インパクトのあるお酒だなあ」

 これは驚いた。わたくしの頭の中での「龍力」は、「龍力 特別純米生 耕」(当連載【142】参照)のイメージが強かったのだが、それとは全然違う酒質だった。同じ「龍力」でも、これほどまで違うのか。あまりの違いに面食らってしまった。

 蔵のホームページを見ると、「ドラゴンシリーズのコンセプト」「『今までのお酒とちょっと違う』 ドラゴンの新しい試み」と題し、以下にコンセプトが書かれていた。

「龍力の追求するものは『山田錦』であり『王道』。全ての造りが技術的には確立し、美味しいのは当たり前。王道の追求のなかで、伝統を大事にしながら、『どう美味しいのか』の具現化を試みました。それが、このドラゴンシリーズです。

冷・常温・燗・全てが平均的に美味しいではなく、『冷なら旨い、常温なら最高、やっぱり燗だね』とテーマ毎に特化したお酒です。

見た目で楽しみ、名前で楽しみ、味で楽しむ。ドラゴンシリーズは宴の楽しみを追求します」

 そして、この酒を「フルーティ&マイルド」と題し、以下のように紹介している。

「本田商店5代目蔵元の本田龍祐が日々飲みたいお酒を目指して企画したお酒です。山田錦を20%使用し『コク味』を、五百万石を80%使用し『軽やかさ』を表現。

四季を通じて楽しんで頂きたいという思いを、四色のラベルに込めました。

パイナップルを思わせる甘い香り、純米酒特有の米の旨み。大きく吟味して醸すというのは、米を磨くことだけではないと考え、仕込んでおります」

 たしかに、コメの旨みがある。たしかにコク味がある。たしかに軽やかさがある。でも、わたくしがイメージしていた「龍力」とは違い過ぎ、戸惑いの方が勝ってしまった。

 ラベルによると、精米歩合は65%。ラベルに原料米の品種名が開示されていないのは残念(ホームページでは開示している)。

酒蛙