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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1344】一念不動 純米吟醸 熟成原酒(いちねんふどう)【愛知】

2013.11.12 18:22
愛知県北設楽郡設楽町 関谷醸造
愛知県北設楽郡設楽町 関谷醸造

【U居酒屋にて 全11回の⑩】

 オタマジャクシ&U&美女軍団と久しぶりに飲んだ。それぞれ単独の顔を見たり、あるいは単独で飲んだりしたことはあったが、フルメンバーで飲むのはおよそ5カ月ぶり。飲み会の場所は、オタマジャクシ(蛙のわたくしが年長なので、彼はオタマジャクシを自称している)推薦のU居酒屋。

 「安芸虎 千本錦 ひやおろし 純米」「三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ 生詰」「龍力 純米 ドラゴン エピソート3」「鷗樹 生酛純米 無濾過生原酒」「蓬莱泉 可。 特別純米 生原酒」「東北泉 色好い返事」「昇龍蓬莱 特別純米 雄町 一度火入れ」「誉池月 純米 山田錦 無濾過生原酒」「丹沢山 純米 阿波山田錦65生原酒」「雄東正宗 純米吟醸 雄町 斗瓶取 無濾過原酒」と飲み進め、11番目にいただいたのは「一念不動 純米吟醸 熟成原酒」だった。

 「一念不動」はあまり見慣れない銘柄だが、「蓬莱泉」の蔵の酒、といえばなるほど。「蓬莱泉」の方が通りが良い。「蓬莱泉」は、今回のU居酒屋シリーズで5番目に「蓬莱泉 可。 特別純米 生原酒」(当連載【1339】参照)をいただいている。「一念不動」はいかに。

 酒蛙「旨みと酸味がある。どことなく武骨っぽく、昔の酒をおもわせる風味とタッチだ」

 美女Mさん「ややアルコール臭を感じる」

 オタマジャクシ「熟成感がある」

 酒蛙「いや、熟成感というよりは、良く熟成された風味がややある、といった方がよい。この酒は旨みがあって、キレが良い」

 「蓬莱泉 可。 特別純米 生原酒」も良かったが、この「一念不動」もなかなか良かった。ぬる燗にすれば、燗上がりしそうな酒質だったが、今回は騒乱状態の中で飲んだので、ぬる燗を試す余裕がなかった。

 瓶のラベルによると、味わいは「お米の旨味が濃い味わい深いお酒」とし、香りは「やや控えめ」としている。

 また、蔵のホームページはこの酒の特徴を「ふくらみのある、但馬強力の米の旨味がうまく引き出された味わいのバランスのよいお酒です」と紹介している。

 ラベルによると、使用米は但馬「強力」100%使用、精米歩合は55%。「強力」について、鳥取市の中川酒造のホームページは、以下のように解説している。

 「『強力』は大正時代に鳥取県立農事試験場により系統分離され、特産酒米として一時期には六千余町歩も生産されていました。

 昭和20年代の食糧難の時代、反当りの収穫量の少なさ、尋常でない背丈、大粒の為の倒伏の危険といった理由から、特産酒米『強力』は姿を消しました。

 (中略)

 日本酒銘柄の独自性、そして地酒の持つ意味もそうあるべきではないかとの想いから、強力米にこだわり復活を願いました。

 鳥取大学農学部で、永年、少量だけ育種、保存栽培されていた種籾から、やっと、わずかではありましたが、単一品種醸造ができる量まで収穫することができました」

 蔵のホームページは、「一念不動」の銘柄のコンセプトについて、以下のように述べている。

「吟醸工房はオーダーメードのお酒など、1本1本の仕込みに飲む人の嗜好や米の特性を反映させた丁寧な酒造りをしている酒蔵です。さらに日本酒を搾った酒粕から焼酎を蒸留し、原料の循環使用やリキュールの製造に活用するなど、日本酒の醸造から始まるさまざまな取り組みを広げています。

蔵の強みを生かし、米の旨さをしっかりと引き出した正統派の日本酒が『一念不動』。お酒の個性をきわだたせ、味わいの幅を広げるお酒として熟成原酒でお届けします。

造り手が『旨い』といえる酒、酒飲みが心おきなく楽しめる酒を目指し、酒販店様やお客様とともに育てていきたいお酒です。季節で、合わせる酒肴で、味わいを引き立てる温度帯を探して、1本のお酒とじっくりと付き合ってみてください。お酒とともに豊かな時間を味わっていただけたらと願っています」

 以下は瓶のラベルに書かれている言葉。実に含蓄がある。

「一番は前ばかりではない。

いちばん後ろもある。

だれでも前へ行きたがる。

お前は後ろを狙え!」

 この言葉からわたくしは、大相撲の名横綱・双葉山の「後の先」を連想した。

酒蛙

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