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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1537】超 王祿 純米 無濾過中取り(おうろく)【島根】

2014.4.13 21:27
島根県東出雲町 王祿酒造
島根県東出雲町 王祿酒造

【U居酒屋にて 全8回の⑤】

 このところ、U居酒屋が気に入っており、機会があれば足を運んでいる。利き酒師の店長の、酒に対する知識が豊富で、質問に的確に答えてくれるため非常に勉強になる。酒の品揃えがなかなか良いうえに、客の嗜好に合った酒の出し方をするので気持ち良く飲める。今回も酒友Dとカウンターに陣取る。

 飲む酒は店長に任せる。「越前岬 しぼりたて 初生 生酒」「仙禽 木桶仕込み 鶴亀19」「賀茂金秀 別注調合大吟醸 雄町」「梵 GOLD 無濾過 純米大吟醸」と飲み進め、5番目に持ってきたのは「超 王祿 純米 無濾過中取り」だった。

 この瓶のラベルを見て瞬間的に反応した。「この酒は飲んだことがある」と。で、いつも持ち歩いているiPod touchで検索し、その写真を引き出し、店長に見せた。が、店長は冷静に「あ、違いますね。今回のものは☆が5つ。iPod touchのものは☆が2つです」。

 たしかにそうだった。以前に飲んだものは「超 王祿 純米 無濾過生酒」(当連載【1416】参照)で、ラベルの「王祿」という酒名の左上に☆2つ。一方、今回のものは「超 王祿 純米 無濾過中取り」で☆が5つだった。違いは「生詰」か「中取り」。

 後日、瓶の裏ラベルを見たら「超王祿は1本の仕込みタンクから5種類の酒を取り分けています。☆の数が多いほど、取れる量が少なく希少な酒です。中取り☆☆☆☆☆、直汲☆☆☆☆、原酒限定☆☆☆、生詰☆☆、本生☆」と説明している。今回の「中取り」は、☆が5つだから、1本の仕込みタンクから取れる量が一番すくない酒、ということになる。さて、いただいてみる。

 D 「ピリっときます」

 酒蛙「うん、舌先にピリピリ微発泡がくる。酸味がすごい。キレ味抜群。旨みがしっかりある。味が濃い。全体的に力強い。おいしいっ! これ、好きだあああ」

 D 「えっ? こんなやんちゃな酒が好きなんですか?」

 酒蛙「大好きだよ。グラスの内側に気泡がたくさん付いている。微発泡は『あらばしり』によくあるが、中取りでこんな微発泡は初めてだ。なぜなんだろう」

 店長「汲む距離がずいぶん短いから、だそうです」

 酒蛙「う~む、よく分からないなあ」

 D 「すごい酸味だあ」

 酒蛙「コメっぽい味がして、麹風味がある。いいなあ。飲み飽きしない。いくらでも飲めそうだ」

 D 「ニワトリの唐揚げと合わせても酒は負けていません! こりゃあ、いい。甘みも感じられる。あっ、ラベルに『酒度+7.2』と書かれています。超辛口の数値です」

 酒蛙「ぬぬっ、飲み口は+7.2ほど辛くは感じないよ。辛さより、酸味と旨みを感じる酒だ」

 考えてみると、以前に飲んだ「超 王祿 純米 無濾過生酒」も、酒度は高いが、辛みが感じられないお酒だった。「生酒」と「中取り」の違いはあるが、基本となるところは同じ、といえそうだ。蔵のホームページは「超 王祿」のコンセプトを「60%精米 純米酒。辛さを感じさせない旨みがあり、切れが良く、料理を選ばず引き立てる酒です」としている。じっさい飲んでみて、たしかにそうだった。

 蔵のホームページによると、原材料名は富山県産「五百万石」100%で、精米歩合は60%。

酒蛙