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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1582】賀儀屋 限定選抜 無濾過 純米 生原酒(かぎや)【愛媛】

2014.5.16 23:13
愛媛県西条市 成龍酒造
愛媛県西条市 成龍酒造

 会社から帰宅、着替えてH居酒屋へ。翌日は休日だから、解放感にあふれている。こんなとき、のんびり歩いて居酒屋に行くのは至福のひとときだ。暖簾をくぐる。時間が早いので、まだ客はいない。店主はのんびりテレビのニュースをみている。

 冷蔵庫を見て、「賀儀屋 限定選抜 無濾過 純米 生原酒」を選ぶ。「賀儀屋」はこれまで「賀儀屋 無濾過 純米吟醸 瓶火入 生詰」(当連載【385】)、「成龍(賀儀屋)月見 純米 原酒 月光」(当連載【625】)、「賀儀屋 無濾過 低温熟成 純米原酒 秋あがり 瓶火入れ」(当連載【934】)を飲んでいるが、「限定選抜 無濾過 純米 生原酒」は初めて。まずは冷酒でいただいてみる。

 酒蛙「甘いっ!」

 店主「すげぇ飲みやすい。酸がいい塩梅にある」

 酒蛙「ふくよかで旨みたっぷり。中盤から辛みが出てきて、余韻も辛み」

 店主「酸味が上顎にくっつく感じ」

 酒蛙「穏やかな香り。やや重く、とろり感があり力強い」

 店主「後味が辛い」

 酒蛙「味の要素の中で甘酸辛が目立つが、中でも甘みが強い。独特な複雑風味があり。余韻に苦みもある」

 店主「この甘み、気にならないっす」

 酒蛙「飲み進めていたら、酸が引っ込んできた。濃醇だなあ。厚みがあるよ」

 店主「苦みがすこし強い。酸が消えてきましたね」

 次に、ぬる燗(40℃)でいただいてみる。

 酒蛙「甘いっ! 辛いっ! 苦いっ!」

 店主「あっ、苦い! 酸っぱい。多くの味が一気に押し寄せる」

 酒蛙「味が非常に強くなるね」

 店主「甘くて、苦くて、酸っぱい。後味が苦い」

 酒蛙「辛い」

 店主「さっぱりしたタッチじゃないけど、個人的には好きだ」

 酒蛙「重辛い。家飲み晩酌酒にはちょっとヘビーかな?」

 店主「含むたびに、味が主張していますね」

 酒蛙「うん、五味すべての味が強い」

 ラベルの表示は「原料米 松山三井100%、精米歩合60%」。「松山三井」は、愛媛県農事試験場が、母「近畿25号」と父「大分三井120号」を交配、育成と選抜を繰り返し、1953年に命名された酒造好適米。

 瓶の裏ラベルは、「お酒の声、届けます。限定選抜生原酒」と題し、この酒を以下のように説明している。

「私達人間の性格がそれぞれ異なるように、お酒も仕込タンクによって、細かな差があります。通常この『純米赤ラベル』は愛媛県産松山三井と愛媛酵母EK-1で醸したお酒をある一定期間、熟成させた後、ブレンドして味を整えていきます。そんな中、年々高まる『生まれたての個性を楽しみたい』という皆様からのお声を形にするべく生まれたお酒がこの選抜酒。一年に一度だけ、搾りたての一本のタンクを限定選抜し、初心の真っ白な気持ちを賀儀屋に閉じ込めました。通常品とは一線をおきつつも、ここから始まる熟成向上ストーリーを是非お楽しみ頂ければ幸いです」

酒蛙