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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3645】貴 純米大吟醸 ドメーヌTAKA 宇部山田錦(たか)【山口県】

2018.11.24 22:12
山口県宇部市 永山本家酒造場
山口県宇部市 永山本家酒造場

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、なぜかわたくし係になっている仲居さんが、店主おすすめのお酒を持ってきた。今回は「貴 純米大吟醸 ドメーヌTAKA 宇部山田錦」だった。「貴」は今回のお酒を含め、当連載で5種類を取り上げている。「貴」には、酸が出てしっかりとした味わいの酒、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 落ち着いた吟醸香がほのか。さっぱり、すっきり、非常にきれいな酒質。ひとことで言うならば淡麗旨口酒。旨みがたおやかで、旨みの背後に酸がある。さっぱり基調だが、やわらかさ、まろやかさもある。余韻は、ほのかな辛み。バランス良く、キレも良い。温度がすこし上がってきたら、甘旨みが出てきて、さらにバランスが良くなる。料理に寄り添ったお酒。どの料理に合わせても良い。

 瓶の裏ラベルには、蔵のコンセプトを以下のように記している。

「酒造りは農業である 米と水を原料として造る日本酒にとって酒米はその命とも言えます。地域の美しい田園風景を守るために社員一同米作りから酒造りを始めます。 The domaine Taka 私達の新年がここにあります。 Think Globally,Act Locally 世界を見据え、地に根ざし個を磨く」

 裏ラベルの表示は「アルコール分16度、精米歩合50%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 山田錦(山口県宇部産)100% ※自家栽培山田錦、製造年月2018.07」。

 酒名の副題「ドメーヌ」は、そもそもワイン用語で「フランス中東部のブルゴーニュ地方などで、ぶどう園と醸造設備を持ち、ぶどう作りからワインづくりまでを一貫して行っているワインの醸造所」のこと。永山本家酒造場は、これを清酒造りに応用、蔵の近くの水田でコメを作り、酒造りまで一貫生産している。この思想は清酒業界でも試みるところが増えつつあり、栃木県さくら市の蔵「せんきん」が著名だ。

 一般的に酒米の山田錦は、兵庫県の特A地区のものが最高品質と言われているが、あえて兵庫県産ではなく、蔵のある宇部で自家栽培した山田錦を使っているところが、「ドメーヌ」たるゆえんだ。

 酒名「貴」は、代表取締役兼杜氏の永山貴博さんの名から1文字とった。「貴」は、2002(平成14)年から、全国販売を始めた。

酒蛙

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