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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1813】金陵 吟醸 雄町 原酒 The油消し(きんりょう)【香川】

2014.12.16 21:10
香川県仲多度郡琴平町 西野金陵
香川県仲多度郡琴平町 西野金陵

 祝日の夕方、ふらり歩いてなじみのH居酒屋へ。休日の居酒屋晩酌は得もいわれぬ愉しさがある。H居酒屋ではホワイトボードに書かれている酒メニューの上から順番に飲むことにしている。今回は「金陵 吟醸 雄町 原酒 The油消し」を飲む番だ。

 ラベルの「The油消し」に仰天だ。なんだ、こりゃ! おもわず声を上げたら、店主が「強いアルコールで、脂っこいものを口から洗い流してくれるってことだそうです」と解説。一般的には酸が強い酒が食べ物の油を流してくれる、と言われているが、強いアルコールで流すとは初耳だ。

 「なんてったって、アルコール分が20.5度ですから」と店主が言ったものだから、わたくしは「ひぇ~~~~っ!!! 日本酒のアルコール分の、ほとんどマックスではないか」と腰を抜かすほど驚いた。あとちょっと強ければ焼酎の世界だ。まず、冷酒でいただく。

 酒蛙「なるほどアルコール感が強い」

 店主「来ますね。アルコール感がすごい、すごい」

 酒蛙「旨みたっぷり。熟成香がややあり、辛みが強い。余韻も辛み。う~む、力強い。パンチ力あり」

 店主「ラベルには酸度が1.6と書かれているが、1.6には感じない」

 酒蛙「うん、酸度1.3-1.4くらいの感じだ」

 店主「辛みも来ます」

 酒蛙「甘みもある」

 店主「はい、甘みがあります。強いから、ちと飲みづらいな」

 酒蛙「ラベルの下に書かれている『Double Happiness』とは??? 意味が分からない」

 店主「辛いものを食べたときのようなチリチリ感と、最初のやさしい口当たりの2つを合わせて楽しめる、という意味の『Double』なんでしょうか? 限定50ケース、300本のうちの1本です」

 酒蛙「それって『Double Happiness』の説明になっていないよ。少ないのによく手に入ったね」

 店主「二度と飲めないお酒です」

 次に、ぬる燗にしていただいてみる。温度はちょうど40℃。一般的にはぬる燗にすると、冷酒よりかなり味が強くなる。冷酒でも十二分に味が強いこの酒をぬる燗にしたら、どんだけ味が強くなるんだろう。かなり腰が引けたが、そこは好奇心の方が勝り、ぬる燗で飲んでみることにする。

 酒蛙「うっ、辛っ!」

 店主「辛い、辛い! 古酒感がある。酸がなんとなく分かるようになった」

 酒蛙「うん、酸はすこし出てきた程度だ。酸が前に出てくるかな、とおもっていたが、予想が外れた」

 店主「うん、酸より甘みが出る。くちびるが甘い。それにしてもアルコールが強いな。おー辛い、辛い」

 酒蛙「うん、辛いっ!」

 店主「ため息が出るような辛さです」

 酒蛙「甘旨酒なんだけど辛い」

 ぬる燗はすごかった。辛かった。じゃ、50℃(熱燗)だとどうなるんだろう??? またまた好奇心が頭をもたげる。えいやっ、試してみよう!

 酒蛙「すんげぇ辛い」

 店主「わーーーっ!!! 辛っ!辛っ!辛っ!」

 酒蛙「辛・甘だ」

 店主「すっげぇ辛い。ほとんどアルコールです」

 酒蛙「濃い! 強い!!」

 いやはや物好きだ。冷酒、ぬる燗、熱燗の3通りを試してみたが、結局は冷酒が一番飲みやすかった。その冷酒も手ごたえ十分だが。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール、原料米/備前雄町100%(岡山県産)、精米歩合/58%」。

 ラベルの、ラーメン丼の模様のようなものは、なんと読むのだろう??? 説明がほしかった。

 ところで、このアルコールが強くて辛い酒が、本当に「油消し」になるのだろうか? 試してみたかったが、あいにくH居酒屋には油っぽい料理は無かった。

酒蛙