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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1875】太平海 純米吟醸 四十日もろみ(たいへいかい)【茨城】

2015.2.8 11:44
茨城県石岡市 府中誉
茨城県石岡市 府中誉

【日本酒研究会月例会 全8回の⑥】

 異業種の酒飲み人が月1回、居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。正規メンバーのうち2人が仕事とインフルエンザのため欠席。4人での例会となった。

 いつもはM居酒屋で開いているが、今回はメンバーのHが「ぜひB居酒屋でやりたい」と要望したため、B居酒屋での開催となった。M居酒屋では店主が出す酒をあらかじめ考えており、6種類の酒を次々繰り出すが、今回はわたくしの選択となった。

 「新政 №6 S-type 生原酒」「南部美人 純米 雄三スペシャル 雄町」「戸隠 特別純米 錦 槽口搾り 無濾過生原酒 Type6539」「結 特別純米 亀口直汲み 生酒」「明鏡止水 鬼辛 純米 酒門の会」と飲み進め、6番目の酒として選んだのは「太平海 純米吟醸 四十日もろみ」だった。

 この蔵の「府中誉」「太平海」「渡舟」を何種類か飲んでいるが、いずれも好印象を持っている。これはどうか。興味津々でいただいてみる。

 酒蛙「旨いっ! 甘みと旨みあり。含み香はやや華やかで、きれい」

 F 「トップバッター(新政 №6 S-type 生原酒)に似ている」

 酒蛙「酸があっていい」

 H 「うん、酸っぱみがいいな」

 酒蛙「やわらかくてふくよか」

 F 「これ、旨いっす」

 酒蛙「やさしいタッチだね」

 やっぱり、この酒も旨かった。この蔵のお酒は、わたくしの口に合っているんだろうな、たぶん。

 瓶の裏ラベルはこの酒を「40日かけて低温でゆっくりと発酵させやわらかな香味を醸し出した純米吟醸を●過する前にびん詰めしました」と紹介している(●は、さんずいに戸)。●は「ろ」と読むのだろうか。「●過」は「濾過」と同じ意味なのだろうか。同じ意味という前提に立つと、「濾過前取り」という言葉と「無濾過」はどう違うのだろうか? あるいは同じなのだろうか? 酒業界で、用語の使い方を統一してもらいたいものだ。

 ラベルの表示は「原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)、精米歩合50%」にとどまる。使用米の品種が非開示なのは残念だ。

 ところで、ラベルでうたっている「四十日もろみ」。「もろみ(醪)」は、コメが発酵している状態のこと。日本名門酒会のサイトによると「20日から30日ほど発酵させるため、『20日モロミ』『30日モロミ』と言います」。つまり、一般的には20~30日の醪期間だが、この酒はそれより長く、低温で40日間発酵させた、という意味なのだ。

 では、なぜ低温長期発酵をするのだろう。これについて酒店「酒蔵 雪江堂大阪」のサイトが分かりやすい解説を掲載しているので、以下に転載する。

「日本酒の醪を低い温度で日数をかけてゆっくり発酵させる発酵形式。普通の酒は、醪の最高温度が15℃以上にもなるが、吟醸酒などは醪の最高温度を10℃程度に抑える。醪の温度が高いと発酵が旺盛になり短期間で発酵が終了し、濃醇な味わいになりやすい。逆に醪の温度が低いと発酵が緩やかで、長期間発酵が続き、淡麗でキメ細やかな味わいになりやすい。気温の高い西日本には濃醇タイプや旨口タイプの酒が多いのに対し、気温の低い東日本には淡麗タイプの酒が多い理由の一つである」

酒蛙