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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1876】大那 純米吟醸 無濾過 特注 ましだや(だいな)【栃木】

2015.2.9 21:40
栃木県大田原市 菊の里酒造(醸造元)、栃木県下都賀郡壬生町 ましだや(販売元)
栃木県大田原市 菊の里酒造(醸造元)、栃木県下都賀郡壬生町 ましだや(販売元)

【日本酒研究会月例会 全8回の⑦】

 異業種の酒飲み人が月1回、居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。正規メンバーのうち2人が仕事とインフルエンザのため欠席。4人での例会となった。

 いつもはM居酒屋で開いているが、今回はメンバーのHが「ぜひB居酒屋でやりたい」と要望したため、B居酒屋での開催となった。M居酒屋では店主が出す酒をあらかじめ考えており、6種類の酒を次々繰り出すが、今回はわたくしの選択となった。

 「新政 №6 S-type 生原酒」「南部美人 純米 雄三スペシャル 雄町」「戸隠 特別純米 錦 槽口搾り 無濾過生原酒 Type6539」「結 特別純米 亀口直汲み 生酒」「明鏡止水 鬼辛 純米 酒門の会」「太平海 純米吟醸 四十日もろみ」と飲み進め、7番目の酒として選んだのは「大那 純米吟醸 無濾過 特注 ましだや」だった。

 これは、わたくしが選んだのではなく、メンバーのFが「俺『大那』を飲みたい。狸さんが書いて送ってくれた『大那』のレポートが、ホントおいしそうに書けていたから、ぜひ飲んでみたい、とおもってたんだ」とリクエスト。それにこたえるため、これを選んだ、というわけだ。ここまで持ち上げられると、なんだかこそばゆくて、身の置き場に困る。

 飲む前にMが瓶のラベルに文句を付けている。瓶の首に貼られた封ラベルに「激ウマ」と書かれているのが気に入らないらしい。そして「自分で『激ウマ』って言うなっ!」。グラスに注いだら、かすかな「うすにごり」だった。さて、いただいてみる。

 酒蛙「やわらかくて、酸味あり、旨みあり、甘みもあり。適度にフルーティー」

 F 「俺のイメージとは違っていた」(どんなイメージを抱いていたのだろう。すこし責任を感じる)

 酒蛙「これ旨いよ。やわらかくて、ふくよか。ややすっきりしたタッチで、おとなしい。バランスがとれて、とんがったところがない」

 やわらかくて、非常におとなしいお酒だった。いかにも「どうだあああ参ったかああ」と迫ってくる激超旨酒もいいけど、主張がそれほどなく、ふんわりやさしいお酒というのもまたいいもんだ。若いころのわたくしは、前者を支持していたが、近年は後者もまたいいなあ、とおもうようになった。おそらくは、歳のせいだろう(ちなみに現在、満65歳)。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「このお酒は『ましだや』の思いを理解し、当蔵が特別に仕込みタンク一本分を吟味して仕込みました。仕込み単位を400kg以下と小さくすることにより、より情熱を感じていただけるお酒になっています」

 「ましだや」とは? ネットで調べてみたら、栃木県下都賀郡壬生町にある酒屋さんだった。その「ましだや」が栃木県の7蔵、群馬県の1蔵の合計8蔵の協力を得て、独自のお酒を出していたのだ。名付けて「ましだやコレクション」。その経緯について「ましだや」のホームページに掲載されているので、以下に転載する。

「■発足からこれまでの経緯

2012年に新たな試みとしてこの『Mashidaya Collection』 をスタートしました。

栃木県の7蔵、群馬県の1蔵、合計8蔵様のご協力で当店の為に少量ですが特別なお酒を造って頂きました。今回お願いした酒蔵様は普段から飲み友達だったり、当店から近いこともあり、細部にわたり話し合い、打ち合わせ等が出来る蔵元様です。何か情熱やチャレンジ精神を感じて頂けるお酒が出来ないものかと考えて酒造りがスタートしました。同じスペックのお酒を造り競うのではなく、蔵元様からこのお酒を『ましだやコレクション』として出品したいと思う酒を厳選して造って頂き、お客様に評価して頂きました。ちなみに『ましだやコレクション』にはすべて『激ウマ特注ラベル』が肩張りしてあります。これがコレクションの印です。

お客様から高い評価を得たお酒は、今後も継続して蔵元さんにお願いし、造って頂きたいと思います。基本的には『ましだやコレクション』は造り手様のチャレンジの場所だと考えております。商売上考えるととても出来ないハイリスクな事や隠れた才能、チャレンジ精神を引き出して冒険してもらえればと思います。毎年少しずつコンセプトを変えていければと思っております。その為、内容的に2度とお目にかかれないお酒も存在してまいります。

沢山のお客様と喜びや感動を共有して、各蔵元様の個性ある味わいを楽しんで頂ければと思います。日本酒業界を少しでも元気になるように盛り上げられればと願います」

 ちなみに8蔵とは、栃木県の「旭興」渡邉酒造、「大那」菊の里酒造、「松の寿」松井酒造店、「姿」飯沼銘醸、「仙禽」せんきん、「辻善兵衛」辻善兵衛商店、「忠愛」富川酒造店と群馬県の町田酒造。

 ところで、このお酒の裏ラベルには原料米を契約栽培しているのが「那須クリーン農業研究会」と明記し、「有機質の肥料を使い、農薬や化学肥料の使用を通常の半分以下に抑え、自然環境の保全に配慮した米作りに取り組んでいます」と同研究会を紹介、いかにコメづくりにこだわっているのかを明らかにしている。

 ただ、瓶の裏ラベルの表記は「使用米:酒造好適米(栃木県那須産)100%使用、精米歩合50%」にとどまり、コメにこだわっているわりには使用米の品種が非開示なのは残念だ。

酒蛙