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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【1962】亀の尾 吟醸 壽限無(かめのお じゅげむ)【福岡】

2015.5.12 22:57
福岡県宗像市 伊豆本店
福岡県宗像市 伊豆本店

【日本酒研究会月例会 全5回の②】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。フルメンバーは6人だが、今回はBが仕事のため欠席、5人での例会となった。

 店主は「天心 天の宙 純米吟醸」をトップに起用、2番バッターは「亀の尾 吟醸 酒米壽限無100%使用」だ。ともにまったく知らないお酒、まったく飲んだことのない蔵の酒だ。わたくしたちは無謀にも“全蔵制覇”を目標に掲げている。M居酒屋の店主がこの趣旨に賛同、わたくしたちの未飲蔵酒をせっせと集め、提供してくれているのだ。ありがたいことだ。さて、この酒をいただいてみる。。

 酒蛙「コメっぽい香り。酸がある」

 F 「これ、旨い」

 M 「酸っぱいっすね」

 酒蛙「やわらか、ふくよかでありながら、さらりとしたタッチ」

 F 「これ、好きですね、酸があって」

 M 「ずいぶんさっぱりしている」

 酒蛙「シャープ感の中にも旨みがほの見えて、いかにも“亀の尾的”なお酒だ。これは進む酒だ。飲み飽きしないので、宴会酒にもってこいだ」

 わたくしたち全員から好評のお酒だった。ところで、すこし酒のことを知っている人がこのラベルを見て不思議におもうはずだ。「ん? 『亀の尾』『壽限無』??? 酒名になぜコメの名前が2つあるんだ?」と。正解は、「亀の尾」が酒名つまり銘柄、「壽限無」が使用米の品種だ。

 となると、酒半可通は再び疑問におもうはずだ。「亀の尾」という品種名を銘柄にしているなんて驚きだ、そもそも「亀の尾」って、復刻米なんじゃないの? 競合蔵がある中で「亀の尾」という酒名が付けられるの? と。これについて、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「古くから『味がいい』と評判の地下水で酒造りを始めたのは1717(享保2)年。 主力の酒米は極上品種の『亀の尾』。戦前、新潟県の名酒を全国に流行させた後、 病害虫に侵され姿を消したが、『幻の名酒を復活させたい』と11代目社長の 伊豆善也が新潟農業試験場に出向き、保存されていた種子200粒を入手。7年がかりで収穫に成功し、1989年、酒米の名前をそのまま冠した 大吟醸『亀の尾』をよみがえらせた。亀の尾で酒を仕込んでいる蔵元は、東北、北陸地方を中心に全国で33社。九州では伊豆本店だけ。発酵した酒を目の粗い布袋に入れて槽に積み重ね、酒をこす昔ながらの製法『槽搾(ふなしぼ)り』で造られた大吟醸は、 関東や北海道からも注文がある」

 つまり、この蔵は昔から酒米「亀の尾」を使って酒を醸し、昔から「亀の尾」という酒銘柄で売ってきたのだ。ネット情報によると、1919(大正8)年から「亀の尾」という酒名を使用している、という。これなら文句は言われまい。早い者勝ちだ。

 瓶の表ラベルは、この酒を以下のように説明している。ふつう、紹介文は裏ラベルに載っているが、表ラベルに掲載しているのは非常に珍しい。

「生産農家が蔵元と協同で開発した酒米『壽限無』。酒造用好適米の『山田錦』、福岡県が開発した酒米『夢一献』を交配してつくりました。酒米の短稈化と安定化を実現したことにより、蔵元と生産農家の『希望』の酒米が誕生しました」

 酒米「壽限無」の両親を説明しているが、ラベルに使用米品種の両親を掲載しているのは非常に珍しい。ラベルによると「原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール、精米歩合60%」。

 瓶ラベルのデザインはコメをイメージしたもの。白いでかいコメ、金色の小さなコメ…。コメをデザインしたラベルはほかにもあるが、これほどまで大きく使うのは例をみない。

酒蛙

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