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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2029】Début 純米 無濾過生原酒(でびゅー)【福岡】

2015.7.22 0:04
福岡県久留米市 若竹屋酒造場
福岡県久留米市 若竹屋酒造場

【P居酒屋にて 全17回の⑨】

 恒例となった美女軍団VSおじさん軍団(オタマジャクシ、U、わたくし)の飲み会。今回はUの送別会を兼ねた飲み会となった。

 まず「くどき上手 おしゅん 発泡性清酒 生詰」「とんぼ スパークリング 微発泡 純米 にごり酒」の発泡系清酒を2種類いただく。続いて「吟田川 純米吟醸 無濾過生原酒」「池雲 純米」「19 Le chat botté 純米吟醸」「笑四季 純米大吟醸 越神楽 生 Masterpiece 1」「笑四季 純米大吟醸 山田錦 火 Masterpiece 2」「宮寒梅 Mr. Summer Time」と飲み進め、店長が9番目に持ってきたのは「Début 純米 無濾過生原酒」だった。

 若竹屋酒造場のお酒はこれまで「若竹屋 純米吟醸 渓」(当連載【806】に掲載済み)1種類しか飲んだことがないので、今回のお酒を興味津々でいただく。

 このお酒を飲むとき、店長がメモを見せてくれた。この酒の解説のようだ。メモには次のように書かれていた。「酵母、種麹の親である源菌を使用したお酒。120年前の清酒酵母『サッカロマイセス・サケ・ヤベ』。100本限定」。要するに、120年前の微生物を使って醸した酒、ということだ。120年前の酒!!! 120年前というと1895年! ぴんとこない。言い換えれば明治28年! ますますぴんとこない。ともあれ、いただいてみる。

 U 「熟成感がいる」

 美女Mさん「漬物の風味がする」(鋭い指摘だ)

 酒蛙「ガツンとくる。力強い。酸っぱい。乳酸菌大活躍って感じの酸っぱさだ。120年前はみんな、酸っぱくて漬物の風味がする酒を飲んでいた、ということか」

 美女Oさん「畳の味がする」(こ、こ、これまた何という大胆な感想)

 酒蛙「熟成香がする。甘さを抑え、旨みは適度。旨みは、酸の強さに隠れる」」

 オタマジャクシ「このボトルだと、ワインを連想するね」

 酒蛙「ワインじゃない」

 美女Oさん「そう、ワインじゃない」

 酒蛙「でも、これ、嫌いじゃない」

 美女Oさん「でも、酸っぱいっす」

 酒蛙「この酸っぱさで、ワインをイメージして、ワイン調のボトルにしたのかな?」

 ともあれ、超個性的なお酒だった。

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(福岡県産)、米麹(福岡県産米)、精米歩合75%」と、いたってそっけない。使用米の品種が非開示なのは残念だ。

 この酒について、福岡県春日市の「白水酒店」が、自店のホームページで非常に分かりやすい解説を掲載しているので、以下に転載する。

『・DÉBUTは現代の日本酒醸造に欠かせない酵母、種麹の親である源菌を使用したお酒です。 その当時の醸造研究者や蔵人の思いが詰まった感動の味わいです!

【若竹屋 DEBUT 酵母:サッカロマイセス・サケ・ヤベ】

時は明治時代、日本で初めて清酒酵母を発見した「矢部矩治」は酵母を純粋培養することに成功。 明治43年に採用された「速醸酒母」は現在も広く仕込まれています!

【種麹:アスペルギルス・オレゼー】

米麹のもとになる種麹は「アールビルフ博物学教師」が日本で初めて微生物の分離同定に成功。 その後、このカビは味噌や醤油の麹の主体であることが知られます!

その酒母と親麹で醸した純米無濾過生原酒の、グッとくる力強さと芳醇さは日本酒通を虜にするでしょう。

また、無濾過生原酒の為に酵母が生きており、とてもお酒が変化しやすい状態です。 しかもその酵母はとても元気です!味の変化にご注意ください・・・ってかお楽しみください!」

 同ホームページでは、原料米が「ヒノヒカリ」であることを明らかにしている。ヒノヒカリは宮崎県総合農業試験場作物部育種科が1979年、母「黄金晴」と父「コシヒカリ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1989年に命名、1990年に種苗法登録された主食用米。人気品種のひとつで、デビュー以来、品種別作付面積では常に上位につけている。

酒蛙

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