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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2041】菜の花の沖 吟醸 司馬遼太郎記念財団公認(なのはなのおき)【岩手】

2015.7.27 22:59
岩手県盛岡市 菊の司酒造
岩手県盛岡市 菊の司酒造

【I隊長と 全4回の④完】

 Iさんは、陽気な元気印。いつも、ほがらかはつらつ。仕事を通して知り合った。山を案内してほしい、と請われ、これまでいくつかの山を案内してきた。登山のメンバーは次第に増え、最近は9人のパーティー。隊長はIさん、わたくしはガイド、という役回り。当然のことながら、登山が終われば反省会だ。つまり飲み会ね。飲むために登っているようなものだ、と家人にバカにされるが、あえて否定はしない。

 さて、反省会を何回かやるうち、ただ飲むだけなら面白くない、酒蛙が飲んだことのない蔵の酒を探してきて、酒蛙をぎゃふんと言わせよう、という方向になった。Iさんの会社のネットワークをフルに活用し今回、H居酒屋に持ち込んだのは4種類。うち3種類は、わたくしがまったく飲んだことのない蔵の酒。「おおっ、未飲蔵が3つもありましたか。あははは。愉快愉快」とIさんは楽しそう。

 まず、その未飲蔵の3種類「無手無冠 特別純米」「藤娘 純米吟醸」「栄光 松山三井 純米吟醸」をいただく。そして最後4番目は「菜の花の沖 吟醸 司馬遼太郎記念財団公認」だ。この酒じたいを飲むのは初めてだが、醸造元の酒は「菊の司」「七福神」などを飲んでいる。醸造元は岩手県だが、企画&販売元は北海道函館市の丸竹竹林商店。四国の酒3種類のあとが北海道(販売元)の酒とは!、ずいぶんドラスティックな展開だ。では、いただいてみる。

 AR「まろやか」

 AK「甘い」

 AR「渋い」

 酒蛙「香りは抑え気味。軽快感がすこしある。もすこしメリハリがあればいいなあ」

 E 「熟成しつつある酒を1年間寝かせたようなイメージ」

 店主「酸味が無い。甘苦酒だ」

 酒蛙「甘みはあるが、旨みがすくない。酸味もすくない。すこし辛みが残る。Eさんが言うところの熟成感はまったく無いよ」

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米・米麹・醸造アルコール、米・米麹は国産米使用、精米歩合50%」にとどまり、使用米の品種が非開示なのは残念だ。

 また、裏ラベルはこの酒を「酒質 香り高く淡麗やや辛口」と紹介している。じっさいに飲んでみて、「香り高く」とは感じなかったが、「淡麗やや辛口」は、まったくその通りだとおもった。

 今回は高知、愛媛、北海道の、県が離れた4種類の酒を飲んでみたが、いずれも淡麗辛口系でびっくりだ。前回も書いたけど、偶然とはいえ、すごいことである。

 ところで、「菜の花の沖」という、およそ酒名らしくない名が気になる。これについて、eHAKODATE.comのサイトは、以下のように説明している。

「司馬遼太郎原作の小説で函館の豪商・高田屋嘉兵衛を書いた『菜の花の沖』。高田屋嘉兵衛の想いを込め、そのタイトルを函館の地酒に名付けた日本酒。司馬遼太郎記念財団公認。 淡麗辛口。冷やまたは、ぬる燗で」

 「菜の花の沖」 は司馬遼太郎の小説の題名だったのか。知らなかった。浅学菲才のわたくしは、それを読んだことがない。高田屋嘉兵衛は知っている。でも函館の豪商だったっけかなあ…。気になったので、ウィキペディアで調べてみた。そこには以下の記述がされていた。

「高田屋嘉兵衛(たかだや かへえ、明和6年1月1日(1769年2月7日) - 文政10年4月5日(1827年4月30日))は江戸時代後期の廻船業者、海商である。幼名は菊弥。淡路島で生まれ、兵庫津に出て船乗りとなり、後に廻船商人として蝦夷地・箱館(函館)に進出する。国後島・択捉島間の航路を開拓、漁場運営と廻船業で巨額の財を築き、箱館の発展に貢献する。ゴローニン事件でカムチャツカに連行されるが、日露交渉の間に立ち、事件解決へ導いた」

酒蛙