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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2170】廣喜 純米吟醸 あらえびす(ひろき)【岩手】

2015.10.21 17:43
岩手県紫波郡紫波町 廣田酒造店
岩手県紫波郡紫波町 廣田酒造店

【日本酒研究会月例会 全6回の②】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。フルメンバー6人のうち、今回はBが仕事のため欠場したため、5人での研究会となった。

 店主がトップバッター「望 純米吟醸 生原酒」に続いて2番目に持ってきたのが「廣喜 純米吟醸 あらえびす」だった。「ひろき」というと、誰しもが「飛露喜」(福島県会津のお酒)を連想するだろうが、こちらは同じ「ひろき」でも「廣喜」。同音異字。名は知っていたが、飲むのは初めてだ。

 酒蛙「熟成感的昭和レトロ的風味が、むんむんあふれている」

 F 「熟成感が、すばらしくいる」

 酒蛙「やや濃醇でとろりとしているが、キレは良い。甘みと酸がある」

 H 「腹に染み渡るなあ」

 Y 「熟成香的な香りが強烈だ」

 酒蛙「吟醸酒だが、吟醸香はしない。やわらかい。酸がいい感じだ。甘酸酒だ。余韻は適度な辛み」

 昭和のお酒的な強い個性に、戸惑うわたくしたちであった。昔からの日本酒好きにはたまらないお酒だろう。そうおもう。

 酒名の「あらえびす」って、どういう意味なんだろう。そして表ラベルの酒名の肩に「ア・ラ・エ・ビ・ス  ききしゅに まさる あすえらび」と書かれているが、これまた、さっぱり意味が分からない。岩手県紫波郡紫波町の地元の人たちは分かるのだろうか??? 分からない言葉を連発されると、イラっときて疲れる。

 酒友に上記のことを話したら、彼はこんなことを教えてくれた。「『廣喜』の蔵がある紫波町は、銭形平次でおなじみの野村胡堂のふるさととして知られています。その野村胡堂が音楽評論家『あらえびす』としてクラシック音楽の評論をしていたことも地元ではある程度知られています。おそらく、今回の廣喜『あらえびす』もそこから命名したものと思われます」

 なるほど、やっぱり地元の人か一部クラシックファンしか分からない名だった。しかし、「あらえびす」の意味は分かったが、「ききしゅに まさる あすえらび」の意味が分からない。困ったことだ。

 瓶の裏ラベルはこの酒を以下のように説明している。「岩手・紫波は『南部杜氏発祥の地』であり、明治36年創業の弊蔵は豊かな大地の恵みと伝承の技を充分に活かし、昔ながらの仕込みで醸す手造りの逸品を心を込めてお届け致します」。なるほど、昔ながらのつくりだから、昔の酒のような風味がするのか。いまではすっかりこのような風味の酒がすくなくなってしまった。ある意味、貴重な存在だ。

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)、精米歩合55%」にとどまり、使用米の品種が非開示なのは残念だ。

酒蛙