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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2198】梅ケ枝 純米 辛口(うめがえ)【長崎】

2015.11.21 17:23
長崎県佐世保市 梅ケ枝酒造
長崎県佐世保市 梅ケ枝酒造

 2泊3日の長崎旅行をしたとき、酒屋さんなどで酒を買い求め、自宅に送った。今回の「梅ケ枝 純米 辛口」もその1つ。長崎市の、通りすがりに見つけた酒屋さんで買った。

 東京などで目にする長崎酒は「六十餘洲」が代表的で、「福田」もけっこう目にするが、「梅ケ枝」はお目にかかれない。しかし、長崎市内の酒屋さんを回れば、「梅ケ枝」を置いているところがかなり多い。逆に「福田」はお目にかかれず、同じ福田酒造の酒であれば「長崎美人」や「福鶴」が酒屋さんでよくみかける。「六十餘洲」はお江戸でも長崎でも見られる。蔵元さんの方針なのだろうが、なかなか面白い現象だ(もっとも以上のことはわたくしがそうおもっただけの話で、じっさいは違うかもしれないことをお断りしておきます)。

 ということで、わたくしが「梅ケ枝」を見たのはこれが初めて。自宅の冷蔵庫で冷やし、家飲み晩酌酒として飲んでみた。まずは冷酒から。

 上立ち香は、やや熟成感的昭和レトロ的風味。含むと、「ご飯炊き立て香」というか昭和レトロ風味に、なんと、なんと、なんと、なんと、「梅の風味」が混じる。これは驚きだ。「梅ケ枝」だから意図的に梅の風味を出している、なんてことはまさか無いとおもうが、偶然にしては出来過ぎの梅香だ。激超独特個性的風味。いやはや驚いた。

 含むと、表ラベルに書いている通り、たしかに辛口酒だが、べらぼうな辛みではない。辛みより酸の方がまず立ち、余韻は辛みと梅風味。非常にさっぱりすっきり爽やかな調子。甘みなく、旨みもすこし。ややドライ感がある。

 次に、ぬる燗にしていただいてみる。湯煎で温度は40℃ちょうど。

 ぬる燗にすると、梅香がさらに強まる。そして、酸がかなり出てくる。辛みも出てくる。旨み(コク)も増す。やや力強い味わいになり、まろやかさが出てくる。全体的に味がふくらむ。やわらかさも出てくる。かなりいい感じだ。冷酒のときの、さっぱりすっきり爽やかな調子とはずいぶん違う飲み口。グリコではないが、「一粒で二度おいしい」的なお酒だ。この酒は冷酒を飲んだだけでは語れない。燗酒も飲まなければ語れない。冷酒から燗酒へドラスチックな変化。抜群の燗映え。清酒の面白さここにあり、だ。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「米だけで造った、深いコクとまろやかな口あたりが特長のお酒です。やや辛口ですが、どっしりした深いコクを楽しむ時はぬる燗で、あっさりと爽やかに飲みたい時は冷してどうぞ」。また、蔵のホームページは「今人気の純米酒。米と水だけで造ったお酒ですので他のお酒よりはお米のコクと旨みが強いタイプになります。体に優しい純米酒です。どっしりした深いコクを楽しむ時はぬる燗であっさりと爽やかに飲みたい時は冷やしてどうぞ」と紹介している。

 ラベルの表示は「原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、精米歩合65%」にとどまり、使用米の品種が非開示なのは残念だ。

 表ラベルに「創業 天明7年(1787年)」と書き、肩ラベルは「昔ながらの槽(ふね)しぼり」。ともに、この蔵のセールスポイントなのだろう。

酒蛙

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