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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2245】富久錦 純米吟醸(ふくにしき)【兵庫】

2015.12.18 22:31
兵庫県加西市 富久錦
兵庫県加西市 富久錦

【K立ち飲みにて 全18回の③】

 酒友徳ちゃんの仕事場の近くに、立ち飲みの店がある。徳ちゃんと2人で出かけた。実は、この立ち飲みに2人で出かけるのはこれが2回目。前回の結果は当連載【2109】~【2128】で紹介している。

 この店は、有名地酒蔵の酒はいっさい無く、あまり知られていない中小蔵の酒を応援するため、これらを中心に置いている。非常に好ましいコンセプトだ。選ぶのは苦手だから、飲んだことのない酒を中心に、冷蔵庫の右上から丹念に飲んでいく。

「寶山 純米吟醸 コシヒカリ」「杉の舞 純米吟醸」と飲み進め、3番目に選んだのは「富久錦 純米吟醸」だった。「富久錦」という酒名を見たとき、「あ、この蔵、飲んだことがあるのでは?」とおもい、念のために既飲蔵をメモしているiPod touchでチェックしてみたら、飲んだことがあるのは「富久娘」だった。「富久錦」は、まったく初めての蔵のお酒だった。実にまぎらわしい。

 酒蛙「香り穏やか、さっぱりすっきりやわらかタッチ。酸味がある。やや熟成感的昭和レトロ的風味がある」

 徳ちゃん「料理の邪魔をしない辛口酒だ」

 酒蛙「全体的にやや辛口で、ややドライ感がある。酸もあるので、飲み飽きしないタイプのお酒だ」

 ユニークなのは、瓶の表ラベルに口上が書き込まれていること。レイアウト的にはいささか読みにくいが、以下のように書かれている。

「良質の酒米だけで旨いお酒ができるのではありません 優れた酒造りの技だけで旨いお酒ができるのでもありません 加西で育った良質の山田錦 蔵の地下水 この地にあった優れた酒造りの技 気候 風土 これらが調和して唯一無二の加西産の純米吟醸酒が生まれるのです」

 コメ、水、気候など、その土地に合ったものを利用して酒造りをしている、という意味で、ワインでいうところの「テロワール」を意識して酒造りをしていることを表明したものだ。

 ラベルの表示は「加西市産山田錦100%使用、精米歩合60%」。

 蔵のホームページはこの酒を「穏やかな香りとやわらかい口あたり。低温でじっくり発酵させることで、山田錦の芳醇さを引き出した味わい深い吟醸酒です」と紹介している。

酒蛙