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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2251】千代の亀 純米吟醸 ひやおろし(ちよのかめ)【愛媛】

2015.12.23 16:38
愛媛県喜多郡内子町 千代の亀酒造
愛媛県喜多郡内子町 千代の亀酒造

【K立ち飲みにて 全18回の⑨】

 酒友徳ちゃんの仕事場の近くに、立ち飲みの店がある。徳ちゃんと2人で出かけた。実は、この立ち飲みに2人で出かけるのはこれが2回目。前回の結果は当連載【2109】~【2128】で紹介している。

 この店は、有名地酒蔵の酒はいっさい無く、あまり知られていない中小蔵の酒を応援するため、これらを中心に置いている。非常に好ましいコンセプトだ。選ぶのは苦手だから、飲んだことのないとおもわれる酒を中心に、冷蔵庫の右上から丹念に飲んでいく。

「寶山 純米吟醸 コシヒカリ」「杉の舞 純米吟醸」「富久錦 純米吟醸」「石見銀山 特別純米」「寒梅 純米吟醸 さけ武蔵」「神杉 純米 しぼりたて 無濾過生原酒」「初日正宗 純米吟醸」「ほまれ麒麟 極醸辛口 蔵出原酒」と飲み進め、9番目に選んだのは「千代の亀 純米吟醸 ひやおろし」だった。

 わたくし行きつけのH居酒屋に、Aさんという常連さんがいる。Aさんの超美人の奥さまが愛媛県出身。奥さまの実家から千代の亀酒造のお酒が送られてくると、H居酒屋で飲み会。わたくしもその中に加えてもらい、これまで3種類飲んだ。

 3種類とは「銀河鉄道 長期熟成酒 純米大吟醸 生酒 凍結酒」(当連載【1543】で紹介済み)、「千代の亀 秘蔵 しずく酒 長期熟成酒 純米大吟醸 生酒 凍結酒」(同【2093】)、「千代の亀 槽無垢 無濾過生原酒 純米吟醸 あらばしり」(同【2094】)。

 奥さまは「愛媛の山奥の小さなお蔵なんですよ」と言うが、なかなかどうして。しっかりした味わいに驚かされたものだった。とくに「千代の亀 槽無垢 無濾過生原酒 純米吟醸 あらばしり」の劇激旨酒ぶりに、わが目、いやわが舌を疑った。知らない旨酒がまだまだ多いんだなあ、と清酒の世界の懐の深さを思い知らされたお酒だった。

 この酒で、わたくしにおける「千代の亀」株は急上昇。たぶん「千代の亀 純米吟醸 ひやおろし」も旨いに違いない、とおもい今回、この酒を選んだ。

 第一印象は甘旨酸っぱい、だった。旨みがたっぷり。キレが良い。余韻は辛みと苦み。香りを抑えている。インパクトが強かった「千代の亀 槽無垢 無濾過生原酒 純米吟醸 あらばしり」と比べると、穏やかで中庸。トータルバランスが良い、と感じた。

 蔵のホームページはこの酒を「春先に搾ったお酒をひと夏寝かせました。円熟まろやか、落ち着いた味わい。食欲の秋にぴったり、焼き鳥や秋刀魚が食べたくなるお酒です」と説明。

 このお酒は、日本名門酒会の企画「2015年秋ひやおろし」のラインナップの1つ。名門酒会のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

「地元愛媛県産《松山三井》を100%使用し、槽搾りで搾った、愛媛の秋の純米吟醸ひやおろし。ひと夏寝かせて《松山三井》らしいやわらかな旨味が増しました。槽搾りならではの透明感のある味わいで、ほのかな吟醸香がお酒の旨味を引き立てています」

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 松山三井100%、精米歩合55%」。

「松山三井」は、愛媛県農事試験場が、母「近畿25号」と父「大分三井120号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1953年に命名された主食用米。食味が良いことから一時期、作付面積が全国1位だったこともある。しかし、大粒で粘りがすくないことから次第に衰退していった。しかし、大粒でタンパク質が少なく砕けにくい、という性質は、醸造用米としては最適。このため近年、醸造用米として注目され、いま“第二の人生”を歩んでいる。

酒蛙

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