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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2261】裏司牡丹 純米 生酒(うら つかさぼたん)【高知】

2015.12.30 11:30
高知県高岡郡佐川町 司牡丹酒造
高知県高岡郡佐川町 司牡丹酒造

 ウイークデーの夕方。帰宅してから、近所のうなぎ屋へ。ここは、昔からのなじみの店。酒メニューはありきたりの地酒3種類しかないが、店主の“隠し酒”がなかなか面白い。だからわたくしは、仲居さんに「お飲物は?」と問われたとき、「店主の隠し酒を」という。すると仲居さんは1升瓶を2-3本抱えてきて「これから選んでください」。今回、こうして選んだのが「裏司牡丹 純米 生酒」だった。

「司牡丹」はこれまで、「司牡丹 船中八策 超辛口純米」(当連載【80】で紹介済み)、「司牡丹 純米 花」(同【1286】)、「金凰司牡丹 本醸造」(同【2129】)を飲んだことがあり、いずれも辛口で酸があり、シャープなイメージを持っていた。さて、「裏司牡丹」はどうか。

 まずは冷酒で。旨みたっぷり、酸味たっぷり。とろみ感があり、ふくよか、やわらか。それでいてキレ良し。余韻はわずかに辛み。やや軽快感があるが、旨みが凝縮したしっかりした味わい。実に旨い。辛口のイメージの、これまでの司牡丹とは、全く違っていた。

 次に、ぬる燗でいただいてみる。酸味が立つ。旨みも増してふくらむが、酸はさらに増す。甘みもすこし出てくる。これはいい。まったく飲み飽きしない。

 いやはや、驚いた。前述したが、「司牡丹」というと辛口酒でシャープなイメージを持っていたが、この酒はふくよか、やわらかで、従来のイメージと真逆ではないか。蔵元さんが、なぜ「裏」と名付けたのか真意は分からないが、この真逆な味わいに、なるほど「裏」か、とおもわせるに十分なものがあった。

 ラベルの表示は「原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)、精米歩合70%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

酒蛙