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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2262】都美人 山廃純米 茶ラベル(みやこびじん)【兵庫】

2015.12.31 9:43
兵庫県南あわじ市 都美人酒造
兵庫県南あわじ市 都美人酒造

 ウイークデーの夕方。会社から帰宅後、普段着に着替え、なじみのH居酒屋へ。歩いて片道7分。近くて便利だ。この店では、ホワイトボードに書かれている酒メニューのうち、未飲蔵の酒を上から順番に飲んでいくことにしている。

 その順番からいくと、今回は「都美人 山廃純米 茶ラベル」を飲む番だ。茶ラベルは、「無濾過生原酒」と表示しているものが多いが、これは、表ラベルにも裏ラベルにも肩ラベルにも「無濾過生原酒」の表示がまったく無い。おそらくは火入れだろう、とおもいながら飲む。まずは冷酒で。

 店主「すげぇ色。濃い山吹色。熟成感があります。24BYです。でもさっぱりした飲み口。入り口だけ熟成感。甘みを感じ、後味に辛みが出てくる」(ラベルの製造年月は2015年10月となっており、24BY=2012BYということは、およそ3年間くらい熟成させたお酒だ)

 酒蛙「上立ち香は、ものすごい熟成香。しかし、さっぱりした飲み口。酸が強い。甘みと旨みがすくなく感じる。後味が辛み。おっそろしくキレが良い」

 店主「あはは、そうそう。キレ良すぎです」

 酒蛙「酸がいいね。さらっとしており、かなりドライ感がある。全体的には熟成辛口酒。余韻の辛みが長く続く」

 次に、ぬる燗にしていただく。湯煎で、温度は40℃ちょうど。

 酒蛙「あっ、やわらかくなった。縮こまっていた旨みが出てきた。うわっ、表現不能複雑な旨みが広がる、ふくらむ。冷酒とは全然違う酒質になった」

 店主「これはいいっ! 味が上顎に付く。酸がいい。タッチが丸くなったね。ふわんとした調子になってきた」

 酒蛙「旨酸辛酒で、やわらかみが出て、非常にいい。コレハいいわああ!!! 驚くほど燗映えする。冷酒からドラスチックに変わる。燗にして、これほど変わる酒も珍しい」

 店主「冷酒は冷酒で、キレがいいから十分楽しめる」

 酒蛙「すごい、すごい、ドラスチックな変わり方。厚みが出てきて、余韻の苦みがいい。いいなあ、いいなあ」

 ものすごい燗映えに感動した。冷酒しか飲まない人がいるが、この酒は燗酒を飲まなければ論評することができない。そう断言するほど、すばらしい燗酒だった。ああ驚いた。

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 五百万石(兵庫産)100%、精米歩合65%」

 蔵のホームページはこの酒を「米のふくよかな香りと奥行きと幅のある豊かな滋味が楽しめます。

深みのある香味が特徴の山廃仕込の純米酒です」と紹介している。

 淡路島のお蔵なのに、なぜ京都をおもわせる「都美人」? この疑問に蔵のホームページは以下のように説明している。

「蔵は昭和20年、島の南部の10軒が志を一つに合併。酒銘『都美人』はその中の一軒で、もと伏見の酒造家の商標でした。創業当初に存在した様々な銘柄から一番響きの良い名前を採用したいわれがあります」

酒蛙

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