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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3629】蓬莱 吟醸 伝統辛口(ほうらい)【岐阜県】

2018.11.8 22:22
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店

【B蕎麦屋にて 全5回の④】

 山友のタケちゃん夫妻と飲んだ。近く予定されている、仲間とのキャンプでのコックをしてくれるよう、お願いがてら飲んだのだった。タケちゃんの住まいは、わたくしと100kmほど離れているが、新幹線を使えば、door to doorでおよそ1時間だ。飲み会場はB蕎麦屋。3人で飲むときは、いつもここ、と決めている。みんな、店主とも仲良しで、居心地が良いからだ。店主は、この日のために、店酒のレギュラーでない酒を用意してくれていた。ありがたい。

「天遊琳 手造り純米 夏純」(当連載【909】で掲載済み)「立山 吟醸」「酔心 純米」「御前酒 特別純米 萬悦」と飲み進め、5番目に飲んだのは「蓬莱 吟醸 伝統辛口」だった。「蓬莱」は、今回の酒を含め、当連載で5種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。

 タケちゃん「これは、複雑な味だ」
 酒蛙「旨みが来て、次に辛みが来て、辛みがずーっと続く。酸は感じられない」
 タケちゃん「旨みが複雑なんだよね」
 酒蛙「旨みは出ているが、軽快感もある。適度な吟醸香」

 蔵のホームページはこの酒を「飛騨の厳しい寒さが、飲み口爽やかな吟醸酒を育てました。ほどよい辛口、飲み飽きしない香味は、酒徒を魅了します」と紹介している。

 瓶の裏ラベルの表示は「仕込み水 自家井戸清水『不老不死の火』、アルコール分15度、精米歩合55%、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページでは、以下のように開示している。「分類 吟醸酒、精白度 55%、アルコ-ル度 15.5%、使用米 飛騨ほまれ、使用酵母 9号、酸度1.3、アミノ酸度1.2、日本酒度+6」

「ひだほまれ」は岐阜県高冷地農業試験場が1972年、母(「ひだみのり」と「フクノハナ」の子)と父「フクニシキ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1981年に命名、1982年に種苗法登録された品種。

 瓶の裏ラベルには、この蔵の酒造コンセプトが以下のように掲載されている。

「不老長寿の桃源郷を酒名に戴く蓬莱は、1870年より飛騨古川にて名酒造りに専念。国内外の品評会で屈指の入賞歴を誇るとともに、飛騨人の慶びの一献として永きにわたり地元の人々に愛されてきました。私たちが追い求めるものは、“米のいのちを生かすよう、真っ直ぐに醸す、心や人間性の酒造り”。伝統と手造りを重視し、古い木の道具を使い、じかに感じる香りや手触りを大切にしています。
数値や理屈だけで判断せず、見えない命がすべてを生かしていることを信じること。そんな気づきや工夫によって味を追求しております」

 酒名「蓬莱」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「渡邉家が酒造りを始めたのは明治3年(1870)、5代目久右衛門章でした。生糸の商いで京都に旅した折に口にした酒の旨さが忘れられず、自ら居するこの地に酒蔵を構え、旨い酒をとの一心で酒造りを始めました。出来あがった酒は至極好評となり、酒を愛でる宴で謡曲を謡いながら、えもいわれぬ、珠玉のしずくに酔ったと記されています。
その時、謡曲『鶴亀』で謡われた『蓬莱』を銘柄として選びました。『蓬莱』は仙人が住むと云われる不老長寿の桃源郷・・・そして、『蓬莱』は人に慶びを与え、開運をもたらす縁起のよい『酒ことば』です」

 裏ラベルには「日本国登録有形文化財の蔵」と書かれている。

 あの福山雅治がお気に入りの酒、というネット情報がある。

酒蛙

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