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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2307】悦凱陣 純米大吟醸 燕石 無ろ過生 しずく酒 斗瓶囲い(よろこびがいじん えんせき)【香川】

2016.2.3 23:06
香川県仲多度郡琴平町 丸尾本店
香川県仲多度郡琴平町 丸尾本店

【B居酒屋にて 全6回の③】

 同僚のNから「たまに飲もう」と誘われた。で、両者日程を照合して、2人とも空いている日を特定し、場所はB居酒屋。即決だ。Nも清酒が好きだから、冷蔵庫の清酒の種類が常時約200種類あるB居酒屋は、飲み会場にうってつけだ。

「カスモチ原酒 弥右衛門酒 18年熟成秘蔵大古酒」「美和桜 純米吟醸 八反 無濾過生原酒」と飲み進め、3番目に選んだのは「悦凱陣 純米大吟醸 燕石 無ろ過生 しずく酒 斗瓶囲い」だった。

「悦凱陣」はけっこう種類を飲んできたつもりだったけど、「純米大吟醸 燕石」は初めて。そもそも「悦凱陣」のラインナップに純米大吟醸があるとは知らなかった。わたくしにとって「悦凱陣」は、純米無濾過のイメージが圧倒的に強いのだ。そして、「悦凱陣」は、濃醇酸味フルボディー酒というイメージを濃厚に持っている。さて、最上級とおもわれるこの酒はどうか。

「旨い!」。おもわず口に出た。濃醇。複雑な旨みや、古本屋的な風味(木香というか、好感的菌類的風味というか表現不能複雑風味)などが、一緒くたになって押し寄せてくる。甘旨酸苦が立つ。とくに苦みがいい。余韻は、この苦みが中心。

 ただ、全体としては、純米無濾過シリーズほどパワフルではなく、純米無濾過シリーズよりマイルドで“きれい感”があり、落ち着きがある。しかし、一般的他社商品の多くよりはパワフルだ。

「悦凱陣」にマイルドさや“きれい感”を感じたのは初めてだ。しかし、それでいて、濃い旨みや酸味という「悦凱陣」のDNAをきちんと内包しており、落ち着いたたたずまいながら存在感が大きい。

 ラベルの表示は「原料米 山田錦(兵庫産)、精米歩合35%」。かなりコメを削っているのが分かる。

 また、ラベルには「H23BY 製造年月26.10」とも書かれている。これは、平成23年7月1日から24年6月30日までの間に醸したお酒を2年半くらい熟成させたのち、26年10月に瓶詰し出荷できる状態にしたことを意味する。瓶詰してからなお1年以上たってから、わたくしたちが飲んだことになる。飲んだとき、マイルドと感じたのは、熟成期間が長かったことに起因するのだろうか。

 酒名の「燕石」は、蔵のある琴平町に生まれた幕末の志士、日柳燕石(くさなぎえんせき)の名。勤王の志士との交流が多く、高杉晋作を自宅にかくまったことで知られる。

酒蛙