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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2350】かたの桜 特別純米 無濾過生原酒 あらばしり(かたのさくら)【大阪】

2016.3.14 22:28
大阪府交野市 山野酒造
大阪府交野市 山野酒造

 会社から帰宅後、ささっと着替え、夕食をとるため、歩いて近くのH居酒屋へ。この店では、酒メニューの中の、飲んだことのない酒を上から順番に飲むことにしている。今回は「かたの桜 特別純米 無濾過生原酒 あらばしり」を飲む番だ。

「片野桜」は以前、「片野桜 山廃純米 無濾過生原酒」(当連載【773】で紹介済み)を燗酒で飲んだことがあり、好印象を持っている。

 今回の「かたの桜 特別純米 無濾過生原酒 あらばしり」については、2週間ほど前の開栓時に、一度テイスティングをしている。H居酒屋の酒メニューをつくってあげるためだ。このメニューには、お客さんのために一言コメントを添えている。このコメントを参考に、お酒を選んでもらおう、というわけだ。

 2週間ほど前にテイスティングしたときのメモは以下の通りだった。「メロン的な上立ち香。甘・旨・酸を感じる。中でも甘みが出てくる。厚みは適度。中盤から余韻は、苦辛が強く、ずーっと続く」

 さて、2週間ほど経て、この連載を書くため、あらためてしっかり味わってみる。まずは冷酒から。

 酒蛙「含み香がやや華やか。やわらかなタッチ。甘みがある」

 店主「後から甘みが出てくる」

 酒蛙「酸が適度にある」

 店主「後味は、苦みと辛みが続く」

 酒蛙「水飴を連想させる甘さ。旨みもある。やや濃醇」

 店主「悪くないっす」

 2つのメモを見比べると、2週間前も後も、ほぼ同じテイスティング結果だった。酒質が変わっていないことと、わたくしの味覚がブレていないことを意味する。

 次に、ぬる燗にしていただいてみる。瓶の裏ラベルに書かれている、この酒についての紹介文は「搾りたての新酒を、濾過や火入れをせずに原酒のまま瓶詰めしました。ふくよかな米の旨みと濃醇な味わいは、是非冷やでお楽しみ下さい」。暗に燗酒は避けるように、と訴えている。

 が、わたくしは、発泡系の清酒以外は、冷酒とぬる燗の双方で飲んでみることを課しているので、構わずぬる燗で飲んでみる。冷酒だけでは、その酒の良さが分からないケースが多々あるからだ。湯煎で40℃。ぬる燗ができた。いただいてみる。

 酒蛙「辛みが出た」

 店主「辛い。辛みが強い」

 酒蛙「すんげぇ辛い。最初に甘みが来るが、すぐ辛みが全体を支配する。旨みは残っているが、酸は引っ込んだ。後味も辛みがずーっと続く」

 いやはや、裏ラベルの教育的指導は、正鵠を射ていた。燗酒にしたら、めったやたらに辛みが出て、バランスが崩れた。やっぱり、この酒は冷酒で飲むのが正解だった。

 裏ラベルの表示は、「原料米 岡山県産『雄町』100%使用、精米歩合58%」。

 この酒を飲んでから、わたくしは、夕食のソース焼きそばを店主につくってもらった。

酒蛙

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