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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2375】函館 飲ん米 純米吟醸 辛口(のんべぇい)【北海道】

2016.4.5 21:40
北海道小樽市 曲イ田中酒造
北海道小樽市 曲イ田中酒造

【函館の酒 全2回の②完】

 北海道新幹線が3月26日に開業すれば、観光地・函館は大変なにぎわいになるに違いない、と考え、北海道新幹線開業前の函館をたずねた。

 函館市内の飲食店はビール、ビール、ビール。そうだった、北海道は、サッポロビールの本拠地だったのだ。わたくしとしては、清酒を買い求めたかったが、酒屋さんがなかなか見つからない。ということで、JR函館駅のお土産売り場をのぞいてみた。

「国稀」「男山」「千歳鶴」「大雪乃蔵」など、すでに飲んだことがあるおなじみの酒に混じって、見慣れない酒が2本あったので、即購入。「函館奉行 純米吟醸」と「函館 飲ん米 純米吟醸 辛口」だった。ともに、自宅での晩酌酒としていただいた。

「函館 飲ん米 純米吟醸 辛口」の裏ラベルを見ると、「企画 JA新はこだて、醸造元 北海道小樽市 曲イ田中酒造」と書かれている。JA新はこだてのサイトを見ても、田中酒造のサイトを見ても、この酒を発売した経緯について触れていない。

 しかし、裏ラベルから、以下のようなことが読み取れる。JA新はこだてが、地元函館の観光土産品に酒が無かったので、土産酒をつくろう、と企画。しかし、函館には造り酒屋が無い。そこで、小樽市の田中酒造(主銘柄は「宝川」)に醸造してもらった、というのがおおまかなストーリーではないだろうか。もし、違っていたらごめんなさい。なにしろ、両社のサイトに詳しく書かれていないもので。

 まず、冷酒でいただいてみる。すっきりしたタッチで酸がある。甘み・旨みがすくなく、中盤から余韻にかけても酸が立ち、さわやか感がある。これらが第一印象だった。

 口が慣れてきたら、かなりしっかりした味わいになってきた、というか、辛みと旨みが絡み合い、強い味わいになってきた。余韻は、旨・酸・辛が合体して続き、これに苦みが加わる。さらに飲み進めていくと、辛みがさらに出てきて、辛酸酒というイメージになる。飲み飽きしない酒質なので、食中酒や宴会酒に適している、とおもった。

 次にぬる燗にしていただいてみる。自分で湯煎、温度は40℃ちょうど。

 やわらかな口当たり。これが第一印象。しかし、すぐに辛みと酸が出てくる。甘み・旨みがすくなく、非常にすっきりさっぱりしたシャープ感のあるタッチになる。冷酒のとき同様、飲み飽きしない燗酒だった。

 瓶の裏ラベルの表示は、「原料米 北海道産米『ふっくりんこ』100%使用、精米歩合60%」。

「ふっくりんこ」は北海道立道南農業試験場(北斗市)が1993年、母「空系90242B」(その父は「きらら397」)と父「ほしのゆめ」(その父は「きらら397))を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。2003年に命名、2006年に種苗法登録された飯米用品種。「ふっくりんこ」2015年産米の食味ランキングで「特A」を取得。「ななつぼし」「ゆめぴりか」に続いて、3番目の特A米となった。

 JA新はこだての上位組織JA全中のサイトは、この酒を以下のように紹介している。

「JA新はこだて(北海道)は、良食味のブランド米『ふっくりんこ』を使ったオリジナル純米吟醸酒『函館飲ん米(のんべえい)』のボトルデザインを発売5周年を機にリニューアルしました。『飲ん米』は、アルコール分15%で辛口の日本酒。新しいラベルは、函館山から見た街の夜景を箔押しプリントで再現しています」

酒蛙

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