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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2399】千代の亀 純米吟醸(ちよのかめ)【愛媛】

2016.4.30 11:15
愛媛県喜多郡内子町 千代の亀酒造
愛媛県喜多郡内子町 千代の亀酒造

【H居酒屋にて 全3回の①】

 H居酒屋の常連Aさんの奥さんは愛媛県出身。ときどきご実家から、清酒が送られてくる。その都度、H居酒屋で飲み会が開かれ、仲間内で味わってきた。わたくしもお相伴にあずかり、愛媛酒を楽しんできた。今回は2種類のお酒が送られてきた、という。

 一方、常連Oさんも、1種類差し入れた。ということで、3種類の酒を味わう会がH居酒屋で開かれた。常連さん、その友達という6人が集まった。それぞれ初顔合わせの人がいる、ユニークな顔ぶれとなった。

 3種類の中から、当て推量で、薄い酒から濃い酒にシフトするように順番を決めた。トップバッターは「千代の亀 純米吟醸」。「千代の亀」の蔵のお酒はAさんのお相伴で3種類飲んでいるが、一番インパクトがあったのは「千代の亀 槽無垢 無濾過生原酒 純米吟醸 あらばしり」(当連載【2094】)。これに対し「千代の亀 純米吟醸 ひやおろし」(当連載【2251】)は穏やかで中庸なイメージ。「千代の亀 純米吟醸」と似ているだろう、と考え、これをトップバッターに起用した。

 F 「吟醸香が感じられ、さっぱりした飲み口だ」

 店主「甘いな」

 酒蛙「甘酸がくる。旨みは適度。吟醸香はほのかにある。キレが良い」

 F 「うん、キレがいいっすね」

 酒蛙「やわらかい飲み口。余韻の苦みがいい」

 F 「吟醸香は、そんなに強くないね」

 酒蛙「うん、吟醸香はほのか。酸がかなり出ている。この酸がいい。軽めのタッチだ」

 F 「飲み進めていったら、辛みが出てきた」

 酒蛙「うん、俺もそれを言おうとおもっていた。飲み進めていくと、中盤から余韻にかけて辛みが出てくる」

 Y 「バランスの良い酒です」

 酒蛙「味の要素がみんな適度にある。総じて穏やかで、やわらかくふくらむ」

 F 「余韻に苦みがある」

 酒蛙「そうそう」

 次に、燗酒にしていただいてみる。湯煎で温度はちょうど40℃。ぬる燗の温度帯だ。

 Y 「しっかりした味わいになる」

 酒蛙「甘みと酸と辛みが出て、メリハリの利いた味わいになる。いいね」

 店主「酸が出て、苦みも出る。しっかりした味わいで、燗の方がいい。味が出てくる」

 蔵のホームページはこの酒を「どっしりした旨味と力強い口当たり。千代の亀のスタンダード」と紹介しているが、わたくしたちの口には、それほど「どっしり」とか「力強い」という印象はなかった。もっとも、人が1000人いれば1000人の舌が違うので、とやかく言うつもりはまったく無い。

 瓶のラベルもホームページも、表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「享保初年(1716年)亀岡久平により亀岡酒造(現千代の亀酒造)創業。(中略)なお『千代の亀』という酒名は、初代から使われており、『千代に八千代に・・・』から来ているものと思われる」

酒蛙