メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2401】与右衛門 純米大吟醸 無濾過火入れ 阿波山田錦 40%精米(よえもん)【岩手】

2016.5.2 16:36
岩手県花巻市 川村酒造店
岩手県花巻市 川村酒造店

【H居酒屋にて 全3回の③完】

 H居酒屋の常連Aさんの奥さんは愛媛県出身。ときどきご実家から、清酒が送られてくる。その都度、H居酒屋で飲み会が開かれ、味わってきた。わたくしもお相伴にあずかり、愛媛酒を楽しんできた。今回は2種類のお酒が送られてきた、という。

 一方、常連Oさんも、1種類差し入れた。ということで、3種類の酒を味わう会がH居酒屋で開かれた。常連さん、その友達という6人が集まった。それぞれ初顔合わせの人がいる、ユニークな顔ぶれとなった。

 3種類の中から、当て推量で、薄い酒から濃い酒にシフトするように順番を決めた。トップバッターは「千代の亀 純米吟醸」。そして2番目は「城川郷 袋搾り 別吟」。最後3番目は、常連Oさん差し入れの「与右衛門 純米大吟醸 無濾過火入れ 阿波山田錦 40%精米」だ。

「与右衛門」は各種出ているが、その多くは、酸とセメダイン香(わたくしの好きなベンゼン環芳香族系の芳香)が際立つ個性派で、わたくしの大好きな酒のひとつである。が、純米大吟醸の「与右衛門 純米大吟醸 無濾過 火入れ 吟ぎんが45%精米」(当連載【1555】)を飲んだとき、二大特徴の酸とセメダイン香があまり強く感じられず、驚いたものだった。同じ純米大吟醸のこれはどうか。まずは冷酒で。

 酒蛙「旨いっ! 旨みたっぷり。セメダイン香が適度にいる」

 O 「セメダイン香、いますね」

 店主「でも、このセメダイン香、いつもよりおとなしい。でもいい。品が良い」

 F 「でも、すごい酒だ」

 Y 「力を感じます」

 酒蛙「酸も出ているが、いつもよりおとなしい」

 F 「これまでの『与右衛門』と全然違うよ」

 Y 「おいしい。いやあ、おいしい」

 F 「セメダイン香はいるけど、ガチガチのセメダイン香ではない」

 酒蛙「うん、その通り。上品な『与右衛門』だ」

 次に、ぬる燗をつけてもらう。湯煎で、温度はちょうど40℃。ちろりでつけ、みんなでぬる燗を飲んでみる。

 酒蛙「おおっ、酸っぱいっ!」

 F 「酸が来ましたねぇ」

 Y 「おいしい」

 F 「酸はあるけど甘さもある」

 店主「コレハいいっ! 甘みが出て、旨いっ!」

 酒蛙「苦みも出てくる。タッチが軽めになる」

 Y 「このようないい酒を飲んでいると、うきうきしますね」

 以前に飲んだ「与右衛門 純米大吟醸 無濾過 火入れ 吟ぎんが45%精米」同様、「与右衛門 純米大吟醸 無濾過火入れ 阿波山田錦 40%精米」は、酸とセメダイン香は出ることには出ているのだが、ほかのレギュラー酒(純米、純米吟醸)と比べれば、おとなしい出方だった。与右衛門のレギュラー酒は、やんちゃ坊主だが、純米大吟醸は、上品さを感じさせるほどレギュラー酒とは違っていた。どちらが好きかは、人それぞれだろう。わたくしの場合、「与右衛門」はやっぱり、レギュラー酒のように酸とセメダイン香が激しく出る方が好きだ。

 ラベルの表示は「原料米 徳島県産 山田錦100%使用、精米歩合40%」。

酒蛙