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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2443】川鶴 炙りいりこ酒(かわつる あぶり)【香川】

2016.6.5 17:30
香川県観音寺市 川鶴酒造
香川県観音寺市 川鶴酒造

 四国の酒友が、仕事のため当地をおとずれ、その合間にわたくしと飲んだとき、お土産に「川鶴 炙りいりこ酒」をいただいた。う~む、見るからに旨そうだ。さっそく、家飲み晩酌用に使ってみる。

 ラベルに飲み方が書かれている。「●美味しい“お燗”のつけ方 飛び切り燗(65~70℃)でお楽しみ下さい。

※燗つけ温度が低いと炙りいりこの香ばしさや旨みが引き出せませんのでご注意下さい ▼電子レンジの場合

商品を電子レンジに入れて500W約90秒で飲み頃の飛び切り燗になります」

 ふむ、飛び切り燗でおいしく飲める、ということが分かった。が、わたくしは超へそ曲がりなので、まずは室温(22℃くらい)でちょっと飲んでみた。いりこ風味はするが、甘みが出て、厚みがあり、味が非常に濃い。つまり、飲みづらい。やっぱり飛び切り燗がいいだろうことを学習した。

 ということで、オススメの飛び切り燗をつける。手っ取り早くレンジ燗だ。指示通り500Wで90秒燗したら、温度が68℃の飛び切り燗ができた。ラベルでは65~70℃が飲み頃とのことで、指示通りやったら、その間にちょうどおさまる68℃。指示の正確さに舌を巻いた。

 さて、カップ酒の蓋の上に、炙りいりこが数匹入った小袋が乗っている。ラベルによると「別添のいりこは、お燗したいりこ酒に入れてお楽しみ下さい。そのままおつまみとしても召し上がれます」とのこと。わたくしは、数匹の炙りいりこを飛び切り燗の中に入れた。

 いただいてみる。おおっ、いりこの香りが香ばしい、いい香り。酒質は室温時とは大違いで、すっきりし、重からず軽からず、厚みが適度。いりこの香りと酒の酸味と旨みのバランスが非常に良い。これは旨い。驚きの旨さだ。けっこうカルチャーショックを受ける。

 すこし温度が下がり50℃くらいになったら、バランスが悪くなった。そこで、すこし加熱した。これが失敗だった。いりこの香りが強くなり、やや魚臭が強くなり、余韻に苦みが出てくる。むむむ、これはいかん。

 後から入れたいりこを引き上げず、入れたまま加熱したため、魚臭が強まったのだ。後から入れたいりこを引き上げてから加熱すれば良かった。というより、このお酒は、最初の飛び切り燗のやつを熱いうちに一気に飲まなければならなかったのだ。今度手に入ったら、そうしてみよう。

 瓶のラベルに、この酒を以下のように説明している。「讃岐観音寺伊吹島特産いりこ(片口いわし煮干し)を炙り、伝統的寒造りで醸した観音寺産地酒川鶴に浸け込んだ本格仕込製法の『炙り いりこ酒』です。上質ないりこの旨みと炙った香味は、温めて飲まれることで風味が増します」

 この酒は、原材料のひとつが「いりこ」なので、清酒を名乗れない。よって、リキュール扱いとなっている。アルコール分は13度と低く設定されている。

 ラベルには、この酒をPRする言葉が、以下のようにてんこ盛りだ。「かがわ県産品コンクール知事賞受賞最優秀賞」「讃岐観音寺伊吹島の炙りいりこ」「観音寺・伊吹いりこ普及推進協議会推薦」「温めて美味しいお酒です」「伊吹島産いりこ100%使用」「いりこの旨味成分(アミノ酸)で黄金色をしたお酒です」

酒蛙