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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3623】春霞 特別純米 山田錦 ひやおろし 栗ラベル黄(はるかすみ)【秋田県】

2018.11.3 22:42
秋田県仙北郡美郷町 栗林酒造店
秋田県仙北郡美郷町 栗林酒造店

【Z料理店にて 全5回の③】

 夕方、ふらりと近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないだろう酒を用意してくれるから、月に1回は訪れ、その厚意に報いなければならない。店主としても、わたくしに餌を与え、定期的に訪れるように、との深慮遠謀。それが見え見えなのが楽しい。

 今回も6種類ほど用意してくれた。わたくしが飲んでいない酒をなぜ揃えられるのか謎だ。気になるけど、あえて聞かないことにする。「麒麟山 純米 秋酒」「繁桝 特別純米 山田錦100%」と飲み進め、3番目に飲んだのは「春霞 特別純米 山田錦 ひやおろし 栗ラベル黄」だった。

「春霞」は今回の酒を含むと、当連載で7種類を取り上げている。甘み・旨み・酸味のバランスが良い、トレンド的な味わいの酒という印象を持っている。今回の酒はどうか。

 グラスの内壁に気泡がいっぱい付く。微発泡で舌先がチリチリする。甘い。旨い。この甘旨みは酸を伴う。酸はきれいで実にチャーミングなうえお茶目な感じで魅力的だ。甘旨いけど、ガス感のため、さっぱり感がある。

 甘旨酸っぱくて、発泡系で、軽くて、ジューシー、さわやか感がある。すなわち、清酒を飲んでいるような気がしない。フルーツジュースを飲んでいる錯覚。実に旨い。栗林酒造店はこのところ、かなり腕を上げてきた、とみた。

 瓶の裏ラベルは、この蔵の酒造コンセプトを以下のように載せている。

「秋田県の内陸、奥羽山脈の麓に酒蔵を構える当蔵『春霞』。山の雪解け水は良質な地下水となり、広大な仙北平野の田園と里を潤します。当蔵はこの豊かな土地の柔らかな水を用い、米の味わいを引出す酒造りを心掛けております。ご飯のおかずとも相性の良い食中酒、ぜひお料理のおともに」

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分16度、原料米 山田錦100%、酵母KA-4、製造年月30年9月」。

 酒名「春霞」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「春霞の銘柄はいつごろから使われたのか定かでありませんが、謡曲『羽衣』の一節、『春霞たなびきにけり 久方の月の桂の花や咲く~』から取ったといわれています。また、『霞』が古くは酒の異名であったことにも関係があるとされます」

酒蛙

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