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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2502】USUKI 特別純米 無濾過生原酒(うすき)【大分】

2016.7.19 23:40
大分県臼杵市 久家本店
大分県臼杵市 久家本店

【H居酒屋にて 全2回の②完】

 会社から帰宅、普段着に着替え、近くのH居酒屋へ。今回は「千駒」と「USUKI」を飲むことにする。「千駒」を冷酒とぬる燗で飲んだあと、「USUKI 特別純米 無濾過生原酒」だ。

「USUKI」については「USUKI 特別純米 生詰原酒」(当連載【1676】)を飲んでいる。「生詰原酒」は、酒を醸したとき一度火入れしてから熟成させ、瓶詰めするときは火入れしない、というもの。原酒は加水していない、という意味。濾過はしているとおもわれる。

 一方、今回の「無濾過生原酒」は、火入れも加水も濾過もしない、という意味。【1676】と今回の表ラベルは同じだが、以上のように表示が微妙に違うので、今回の酒も取り上げることにする。

 今回、「USUKI」を飲む1週間ほど前に、テイスティングのため、冷酒をいただいている。このテイスティングは、1行コメント付きの酒メニュー表をつくるためだ。酒名だけずらり並んだメニューを見ても、ほとんどのお客さんはどんな酒なのか分からない。H居酒屋では、お客さんのために、酒質を1行で紹介する酒メニューを出しており、そのコメント書きはわたくしの役目、というわけだ。

 テイスティングのため1週間前に飲んだときの「USUKI」の感想は以下の通り。

 店主「味濃い。樽っぽい風味が残る。酸があり、甘みもある。苦みはすくなく、辛みがある。うむ、おいしい。味が太い酒だ」

 酒蛙「甘旨酸っぱい。中盤から余韻は辛み。辛いなあ。濃醇でしっかりとした味わい」

 店主「辛いっす。味がしっかりしている。宴会でくいくい飲むような酒じゃないな」

 酒蛙「たしかに樽風味を感じる。あるいは古本屋的風味を感じる。甘さは、飴的な甘さ」

 1週間後、今度はこの「日本酒津々浦々」の記事を書くため、飲み直す。まずは冷酒で。

 店主「酸がくる」

 酒蛙「樽香的な風味がある。旨みがあり、やわらかいタッチ」

 店主「味は濃いが、さっぱりした飲み口。これ、人気のある酒です」

 酒蛙「甘旨みが出て、辛みも中盤から余韻にかけて出てくる」

 店主「樽香と辛みがある。ラベルによると、酸度は1.8だそうだ」

 酒蛙「酸は、1.8ほどには感じない。それほど辛苦が強い、ということなのだろうか。酸は1.8なのだが、辛苦に負けてあまり感じないのだろうか。濃醇系の酒だが、キレが良い」

 店主「後味がさっぱりしていますね」

 酒蛙「余韻は辛み主体だが、エンディングは苦み」

 店主「濃い。だんだん味が強くなっていく」

 酒蛙「辛・苦が強い」

 次に、ぬる燗にしていただいてみる。湯煎で温度は、40℃ちょうど。

 酒蛙「甘旨酸辛!」

 店主「ですね。そのまんまです。酒が丸くなり、軽くなった」

 酒蛙「軽快になり、飲みやすくなった」

 店主「すんげぇ飲みやすい」

 酒蛙「酸がいいね冷酒のときは酸をあまり感じなかったが、ぬる燗にしたら酸が出てきた」

 店主「瓶のラベルの表記では燗に○印が付いていないが、この酒はぬる燗が旨い!」

 酒蛙「冷酒のときに感じた辛みと苦みが緩和される」

 店主「全然いい。一口目でびっくりしたよ」

 酒蛙「そうそう。わーっ、おいしい、おいしい。これはびっくりだ」

 店主「これはいい」

 酒蛙「樽的風味がいいね。酸と旨みがいいなあ」

 2人、大絶賛のぬる燗だった。冷酒だけでやめておけば、この感動を味わうことはできなかった。ぬる燗を試してみて、本当に良かった。

 瓶の裏ラベルの表示は「大分県臼杵産酒造好適米『若水』100%使用。『若水』生産農家:湊浩文(臼杵市)」

。「若水」は、愛知県農業総合試験場作物研究所が1972年、母「あ系酒101」(「あ系酒101」の母は「玉栄」、父は「露葉風」)と父「五百万石」を交配させ育成した品種で1985年に品種登録された。

 蔵のホームページは、この酒について、以下のように紹介している。

「ANA(全日空)のサイトに共感して、特別純米酒・無濾過生原酒『USUKI』(ウスキラベル)を今年も発売致します。

日本の伝統文化に根ざした酒造り。臼杵の安心安全な米と水と人で醸し、地元の風土が味わえるこのお酒こそ、

我々は"COOL"(かっこいい!)と考えます」。これは、ANAの、外国人向けに日本を紹介しているサイト「COOL JAPAN!」に共感してのことである。

酒蛙

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