メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2516】盛升 特別純米(さかります)【神奈川】

2016.8.4 14:44
神奈川県厚木市 黄金井酒造
神奈川県厚木市 黄金井酒造

 ウイークデー。会社から帰り、着替えて近くのH居酒屋に晩酌へ。今回は「盛升 特別純米」を飲む、とあらかじめ決めていた。

 H居酒屋では、酒メニューに1行コメントをつけている。酒名だけだと、どんな酒なのかお客さんが分からないだろうから、と酒質を簡潔に紹介しているのだ。この1行コメントを書いているのがわたくし。このコメントを書くため、1週間ほど前、「盛升 特別純米」をテイスティングしている。そのときの感想は以下の通り。

 酒蛙「すっきり、さっぱり。酸がすくないかな」

 店主「ラベルによると酸度は1.8です」

 酒蛙「1.8というとかなり酸っぱく感じるはず。1.8ほどには酸を感じないなあ。甘みと旨みがすくなめ。飲み進めていったら、中盤から、酸がどれどれという感じで出てくる」

 店主「遅れて酸が来るね」

 酒蛙「余韻は軽い苦み。飲み飽きしないので、宴会酒に最適だ」

 今度は、当連載「日本酒津々浦々」の記事を書くため、飲み直してみる。1週間前にテイスティングしたときは冷酒だけだったが、「日本酒津々浦々」を書くため、ぬる燗でもいただいてみる。まずは冷酒で。

 酒蛙「酸が来る」

 店主「ものすごく軽い」

 酒蛙「若干、熟成感的昭和レトロ風味がいる」

 店主「いるね」

 酒蛙「酸と甘みがある。旨みはすくない」

 店主「後味に渋みがある」

 酒蛙「苦みと渋みがあるね。軽快な酒質だ」

 店主「旨みがすくない」

 酒蛙「淡麗軽快酒だ」

 店主「酸がある。味のふくらみはあまりない。宴会酒に向いている」

 これは驚いた。1週間前、封開け時に飲んだときは酸をあまり感じなかったが、今回は酸を一番最初に感じた。デキャンタ効果なのだろうか。

 次に、ぬる燗でいただく。湯煎で温度は40℃ちょうど。2人は「きっと酸が前に出てくるだろうな」と予想しながら、ぬる燗ができるのを待つ。さて、ぬる燗ができた。

 酒蛙「苦いっ!」

 店主「ん? 苦いっ!」

 酒蛙「あれれ? 酸が出てこない」

 店主「わっ、酸がない」

 酒蛙「苦みがあり、さっぱりとしたタッチ」

 店主「辛いなあ」

 酒蛙「温度が下がってきたら、酸がすこし出てきた」

 店主「酸は分からん。冷酒のときは出ていたのに」

 酒蛙「そうおもう。不思議だね」

 店主「温度が下がってきたら、酸が出てきた。さっぱりしているなあ。地味だなあ」

 酒蛙「うん、たしかに地味な酒質だ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を「米の旨味を存分に引き出し、口に含むとまろやかでコクのある味わいの良さが感じられます」と紹介。また、蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「酒造好適米の美山錦を60%まで精白し、丹念に仕込んだ純米酒です。米の旨味を存分に引き出し、口に含むとすっきりと切れある味わいが感じられ。杜氏の技が光る酒になっております」

 裏ラベルの表示は「原料米 美山錦100%、精米歩合60%」。

 蔵のホームページはこの酒を「ワイングラスで美味しい日本酒アワード2014金賞受賞」と紹介している。

 また、蔵のホームページは、酒名「盛升」の由来について「その昔、屋号を『升屋』と称し、益々繁盛という意を込め『盛升』サカリマスと命名いたしました」と説明している。

酒蛙