メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3620】御前酒 菩提酛 特別純米 ひやおろし 無濾過生詰(ごぜんしゅ)【岡山県】

2018.11.1 23:24
岡山県真庭市 辻本店
岡山県真庭市 辻本店

【B居酒屋にて 全6回の⑥完】

 半年ほど前、異業種他社のF、Yと、わたくしと同僚Hの4人で飲んだことがある。Fからまたやろう、と誘いがあり、望むところ、と受けた。場所は前回同様B居酒屋。今後この会を開くときはB居酒屋と決め、会の名も「B居酒屋の会」と決めた。

「宝剣 純米 超辛口 あらばしり」「宝剣 純米吟醸 酒未来」「岩木正宗 七郎兵衛 特別純米 生原酒 華吹雪」「岩木正宗 純米吟醸」「臥龍梅 純米吟醸 生貯蔵原酒 超辛口」と飲み進め、最後6番目にいただいたのは「御前酒 菩提酛 特別純米 ひやおろし 無濾過生詰」だった。

「御前酒」は、今回の酒を含め、当連載で3種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 Y 「香りだけでも酸が立っていることを予感させる」
 酒蛙「甘酸っぱくて、軽快な飲み口」
 F 「酸がありますね」
 Y 「飲みやすい」
 酒蛙「おいしい。甘旨酸っぱい。菩提酛にしては、ずいぶんきれいな酒質でびっくり」

 瓶の裏ラベルは、「御前酒の酒造り」と題し、蔵のコンセプトを以下のように説明している。

「文化元年(1804年)の創業当時より地元の米・水・技で醸すことが造り酒屋の原点と考え綿々と酒を醸して参りました。使用する米は全て岡山県産にこだわり、備中流派の技を継承する女性杜氏 辻麻衣子を中心に旨味があってキレがある酒質をテーマに酒を醸しております。一級河川『旭川』の地下伏流水を仕込水に使用しており、軟水の水質がまろやかな味わいを作り上げます」

 そして、この酒を以下のように紹介している。

「岡山県産米を60%に磨き、当蔵独自の『菩提酛』で醸した特別純米酒。冬に仕込んだ酒がひと夏を越し、旨みがのって来た秋口に出荷するひやおろしタイプです。穏やかな香りとシャープかつ爽やかな酸が特徴で、秋刀魚やキノコ等、秋の味覚に合わせてお召し上がりください。お燗酒もおススメです。
※菩提酛とは蔵付き天然乳酸菌を用いる古代製法。当蔵では独自に改良を加え、現代に蘇ったネオクラシックな製法です」

 また、蔵のホームページはこの酒を「リンゴのような爽やかな香り、やわらかな米の旨味が感じられる秋上がりのお酒」と題し、以下のように紹介している。

「岡山県産米を60%に磨き、当蔵独自の『菩提もと』で醸した特別純米酒。冬に仕込んだ酒がひと夏を超し、旨みがのって来た秋口に出荷するひやおろしタイプです。穏やかな香りとシャープかつ爽やかな酸が特徴で、秋刀魚やキノコ等、秋の味覚に合わせてお召し上がりください。冷やすとリンゴのような爽やかな香りがあり、やわらかな米の旨味がすっと切れていきます。40℃くらいのぬる燗にすると、穏やかな甘い香りに変化し、旨味あふれる押し味が感じられます」

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米、米こうじ(原料米はすべて岡山県産)、精米歩合60%、アルコール分16度、杜氏 辻麻衣子(備中杜氏)、製造年月17.09」にとどまる。米にこだわっているのなら、使用米の品種名を開示してほしかった。

「菩提酛」による酒づくりは、清酒づくりの原点的な技術。これについて蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『菩提もと』は別名『水もと」とも呼ばれ、『もと』の仕込み水に乳酸菌を沸かせたものを用います。具体的には、仕込み水に生米と炊いたご飯を入れて酸性にしたものを『そやし水』と呼び、これを『もと』の仕込み水として使用します。
『御前酒菩提もと』は、従来の『菩提もと』の製法をベースに先代杜氏、原田 巧が試行錯誤を繰り返して御前酒の蔵に適した製法として生み出した新しい『菩提もと』。少量の米麹を水に浸け、乳酸菌を繁殖させ『そやし水』を作る。乳酸が大量に生成された頃に一度、加熱殺菌し安全性を高めてから仕込水として使う」

 乳酸菌・乳酸を使うのは、雑菌の繁殖を防ぐためである。

 この蔵の主銘柄「御前酒」の由来について、コトバンクは「酒名は、勝山藩御用達の献上酒であったことに由来」と説明している。

酒蛙

関連記事 一覧へ