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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2597】奥播磨 山廃純米 袋吊り雫酒(おくはりま)【兵庫】

2016.10.27 22:52
兵庫県姫路市 下村酒造店
兵庫県姫路市 下村酒造店

【B蕎麦屋にて 全2回の②完】

 仲間内でキャンプをすることになった。この仲間とキャンプをするのは3回目。男の料理やアウトドアクッキングはトレンドらしい。しかしわたくしたちは「飲む・食う」は大好きだが、「作る」は嫌い。よって、これまで同様、わたくしの山仲間のタケちゃんに料理をお願いすることにした。釣りが趣味のタケちゃんは、料理がとても上手なのだ。

 ということで、タケちゃんにコック長をお願いするため、いつものB蕎麦屋でごちそうした。この蕎麦屋は何種類かの酒を置いており、いちおう酒をウリにしている。冷蔵庫の中から、まずは「正雪 辛口純米 誉富士」を選ぶ。ここの店主は「正雪」がお好きなようで、クラスを違えても、冷蔵庫の中にいつも「正雪」を置いている。

 2番目に「酔鯨 純米吟醸 吟麗」(当連載【204】)、3番目に「南部美人 純米吟醸 『オーナー制の酒』」を飲み、最後4番目にいただいたのは「奥播磨 山廃純米 袋吊り雫酒」だった。ここの店主は「正雪」同様、「奥播磨」も好きなようで、微妙にスペックを変えながら、常時、冷蔵庫に入れている。

 なにを隠そう、このわたくしも大の奥播磨ファンで、魅力的な酸と、乳酸的複雑風味に酔いしれている。とくに山廃がすばらしい。さて、まずは冷酒でいただいてみる。

 乳酸的古本屋的ふくよか複雑スモーキー風味。酸が非常に立つ。いかにも山廃。絵に描いたような山廃の味。しっかりとした深みのある味わいで、奥播磨のDNAがちゃんとある。余韻は辛み。

 次に燗酒を所望する。どう考えても燗酒の方がいいとおもったからだ。わたくしとしては、40℃くらいのぬる燗を願っていたが、あろうことか、出てきた燗酒の温度は推定70℃。すっきりしたタッチだが、味がしない。

 52-53℃くらいに下がってくると、酸が出てくる。旨みも出てくる。40℃くらいに下がると、酸が非常に強く出てくる。旨みもたっぷり出てくる。辛みも出てきて、余韻は辛み。いやはや旨し! やはり、この酒は40℃のぬる燗が最適のようだ。

 ラベルの表示は「原材料名 米(兵庫夢錦:兵庫県産)、米麹(兵庫夢錦:兵庫県産)、精米歩合55%、アルコール分17度以上18度未満」。ラベルには「新鮮な味と香りをご賞味いただきたく 一切加熱処理をしていおりません。お早めに、お召し上がり下さい」と書かれている。ということは、この酒は、表示は無いが生原酒か。

「兵庫夢錦」は兵庫県立中央農業技術センター酒米試験地が1977年、母(「菊栄」と「山田錦」のF2)と父「兵系23号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1986年に命名、1987年に種苗法登録された酒造好適米。

酒蛙