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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2612】いなば鶴 純米大吟醸 強力(ごうりき)【鳥取】

2016.11.13 12:13
鳥取県鳥取市 中川酒造
鳥取県鳥取市 中川酒造

【TU会 全4回の②】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回は、メンバーのKWが欠席し、7人で開かれた。

 店主が「フモトヰ 吟醸 秋あがり」(当連載【2174】)、「美人長 笑 純米」に続いて3番目に持ってきたのは「いなば鶴 純米大吟醸 強力」だった。

「美人長」に次ぐ「いなば鶴」も、わたくしたちにとって初蔵のお酒。酒友Jが「日本の全蔵の酒を飲もうではないか」と無謀な提案をしたところ、これにM居酒屋の店主が協力してくれ、わたくしたちにとっての初蔵酒をせっせと探してくれているのだ。感謝、感謝。ありがたいことだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「さらっとした飲み口」

 TU「酸が立っている」

 酒蛙「うん、酸が立っているね。すっきり、さっぱり、キレが非常に良い。そっけないほどのシャープ感がある」

 ヨネちゃん「温度が上がってきたら、旨みが出てきたよ」

 酒蛙「いかにも強力米でつくったお酒。さっぱりして、シャープで、一本、芯がある。量をガンガン飲む宴会酒に適しているね」

 瓶の裏ラベルの表示は、鳥取県産「強力」100%、精米歩合40%。また、「酒米『強力』の特徴を楽しんで頂く為、炭素ロカは極力行っていません」と書かれている。

 瓶の表ラベルには、このお酒を以下のように紹介している。

「『強力』とは、かつて山陰は因幡地方を中心に生産されていた幻の酒造好適米です。産地限定生産、昔ながらの減農薬・低窒素肥料など、篤農家の努力と長期低温発酵の吟醸造りにより、今『強力』の命を宿した清酒が蘇ります」

 この酒の箱に入っていた蔵のしおりは、「強力」について、以下のように説明している。

「『強力』は大正時代に鳥取県立農業試験場により在来種から選抜育成され、特産酒米として一時期には六千余町歩も生産されていました。

 強力米の歴史は古く、『山田錦』の祖先と言われている優良酒米『雄町』の更なるルーツであるという説もあります。

 昭和20年代の食糧難の時代、反当たりの収穫量の少なさ、尋常でない背丈、大粒の為倒伏の危険といった理由から、特産酒米『強力』は姿を消しました。(中略)

 鳥取大学農学部で、永年、少量だけ育種、保存されていた種籾から、やっと、わずかではありましたが、単一品種醸造ができる量まで収穫することができました。

 低タンパクな米質を重視するため、低収穫量を覚悟の上で減農薬・低窒素肥料などを心がけ、見事、酒米『強力』は復活しました。その強力米と清らかな水を使った地酒がここに蘇りました」

 また、蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「炭素濾過は行っていない。香りは、新米の蒸しを連想させ、苦味・酸味・渋味・甘味が渾然一体となった濃厚な味わい。奔放に味を出しながら、男性的な力強さが感じられる個性的な地酒の原点ともいえる酒」

酒蛙

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