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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2763】而今 純米吟醸 八反錦 無濾過生(じこん)【三重】

2017.2.26 22:30
三重県名張市 木屋正酒造
三重県名張市 木屋正酒造

【B居酒屋にて 全3回の③完】

 ある山のグループと新年会。H居酒屋に9人が集まった。ここでは「吉野桜 本醸造」「柏盛 原酒」「明和義人 純米大吟醸」「越の夕凪 山廃純米」「二兎 純米 山田錦65 一回火入」「文楽 鬼若 特撰 本醸造 辛口」を飲み、なじみのスナックNに転戦。精密採点カラオケ合戦に熱くなった。ゴルフコンペならぬカラオケコンペ。

 スナックNでの二次会は2時間で解散、しかし飲み足りないわたくしは、近くのB居酒屋に単騎転戦。3種類の酒を飲んだ。まず飲んだのは「写楽 純米 純愛仕込 一回火入」。続いていただいたのは「鳳凰美田 芳 純米吟醸 無濾過本生」。そして最後は「而今 純米吟醸 八反錦 無濾過生」。有名どころを立て続けに3つ。ふだんは、有名どころよりも、わたくしにとっての初蔵酒を優先させるので、このような飲み方はしない。

 さて「而今」は、目にする機会が非常に多い酒。したがって、飲む機会も多い。別格的な濃醇酸味酒、というイメージを持っている。「地酒蔵の“雄”」「孤高の地酒蔵」という印象もある。さて、いただいてみる。

 旨いっ! おもわず、うなった。とびっきりの濃醇酸味酒。すごく濃醇、甘旨酸っぱくて、中でも酸が非常に立つ。中盤から余韻は辛み。この辛みがずーっと続く。余韻は辛みに苦みが入る。しっかりした味わいの、分厚くて力強い骨太な酒。味の強い炙った身欠きにしんと合わせても、まったく負けない。微発泡感もある。表現不能な果実香がやさしく香る。

「八反錦」で醸した酒について、ひと言で片づけるのに抵抗が無いでもないが、わたくしは“やわらかな柳腰的な酒”ができる傾向にある、という印象を持っている。だから、このような骨太で濃醇な八反錦酒に仰天したのだった。

 瓶の裏ラベル表示は「広島県産八反錦100%、精米歩合55%」。

「八反錦」は広島県立農業試験場が1973年、母「八反35号」と父「アキツホ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1983年に命名、1984年に種苗法登録された酒造好適米。今や、「八反錦」といえば広島、広島といえば「八反錦」というほど、全国的に著名な酒米となっている。

 瓶の裏ラベルには、どの而今ラベルにも書かれているお約束の口上が以下のように載っている。「過去に囚われず未来に囚われず 今をただ精一杯に生きる  杜氏 大西唯克」

酒蛙

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