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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2891】山川光男 2017 ふゆ 生(やまかわみつお)【山形】 

2017.5.10 22:15
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山形県天童市 水戸部酒造
山形県天童市 水戸部酒造

【H居酒屋にて 全6回の②】

 なじみのH居酒屋の店主からメールが入った。「新しいお酒が6種類入ったので、テイスティングにいらっしゃい」。おおっ、それなら行かなければならない。おっとり刀でH居酒屋に向かった。わたくしは、H居酒屋の酒メニューをつくってあげている。ふつうの酒メニューは酒名の羅列だが、これだとお客さんはどんな酒なのかさっぱり分からない。このためわたくしが、酒名の隣に酒質の1行解説を付けたメニューをつくってあげており、これが好評。そのためにはテイスティングが必要、というわけだ。

 さて、6種類の酒の中から、トップバッターに「隆 純米大吟醸 播州山田錦45 火入 2014年度醸造」を選び、次に選んだのは「山川光男 2017 ふゆ 生」だった。

 頭に一升瓶を乗せ、スキーは酒造りに使う櫂、ストックは柄杓、背中に一升瓶を4本背負い滑っている絵のラベル。妙にゆるいラベルだ。

 瓶の裏ラベルの口上も「『シュッ、シュッ、シュッ!』 見事なシュプールを描いているのは… 山川光男ではありませんか! 今期第一弾のフレッシュな生酒ができました。 一滴もこぼさずにお届けしようと、 酒造道具で巧みに滑っていますね。さすが迷杜氏です。 それではまたごきげんよう」とゆるい。これだけでは、なにがなんだか、よく分からない。

 が、裏ラベルに羽陽男山、東光、楯野川、山形正宗の4つの酒銘柄のロゴが印刷されている。これで合点がいった。山形正宗の「山」、楯野川の「川」、東光の「光」、羽陽男山の「男」だったのだ。山形県内のこの4つの蔵元さんが、酒造技術のアイディアを出し合い、新しい日本酒をつくっていこう、というユニットなのだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「甘旨酸っぱい。濃醇」

 店主「これ、いいっ!」

 酒蛙「まとまっている。これは旨い。変なところが一つもない」

 店主「ちょっと甘いかな。辛みもちゃんとある」

 酒蛙「甘みと旨みと酸がいい。濃醇でとろみがありジューシー。香りは抑え気味。余韻は酸と苦み」

 店主「苦み、ありますね」

 酒蛙「さすが山形正宗」

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名:米(山形県産)・米こうじ(山形県産米)、精米歩合60%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。せっかく入れ込んでいる商品なので、使用米の品種名は開示したほうがいい。また、特定名称酒の表示が無いが、なぜだろう。スペック的には純米吟醸か特別純米か。

「山川光男」は、今回の酒を含め4種類出しており、その内訳は以下の通り。「2016なつ 小嶋総本店」(醸造元は東光)、「2016あき 楯の川酒造」(楯野川)、「2016山形限定 男山酒造」(羽陽男山)、そして今回の「2017ふゆ 水戸部酒造」(山形正宗)だ。

 山川光男プロジェクトはホームページを持っており、今回の酒を以下のように紹介している。

「『シュッ、シュッ、シュッ!』 見事なシュプールを描いているのは…山川光男ではありませんか! さすが雪国出身だけありますね。カシミアのはっぴで防寒も万全です。2017年最初のお酒は、フレッシュな生酒。いろいろな引き出しを見せてくれる男ですね」

 さて、ホームページは、「山川光男」について説明しているので、以下の転載する。

【山川光男とは】

 山川光男は考える。自分の心がワクワクするような夢を追い続けたい。新たな一歩を踏み出すことで、仲間とともに苦しみや喜びを分かちあえる人生でありたい。日本のお酒を、農業を、もっともっと輝きに満ちたものにするために。世の中は、挑戦する人でできている。さぁさ、あなたも一杯、どうぞどうぞ。

【山川光男プロジェクト】

 山川光男(やまかわみつお)は、山形県内の4蔵元が結成した志のあるユニット。銘柄の一文字ずつを取って名づけられ、生命を吹き込まれました。山川光男は、これから色々な面白いことをやっていきます。創り出した私たち自身の手を離れて、日本酒や、日本の農業や、世界の平和のために活躍してくれることを祈っています。

酒蛙

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