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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【2926】ささまさむね 特別純米 生酒【福島】

2017.6.9 22:19
福島県喜多方市 笹正宗酒造
福島県喜多方市 笹正宗酒造

【Z料理店にて 全6回の②】

 夕方、ふらりと近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないだろう酒を用意してくれるから、月に1回は訪れ、その厚意に報いなければならない。店主としても、わたくしに餌を与え、定期的に訪れるように、との深慮遠謀。それが見え見えなのが楽しい。

 今回、わたくしが飲んだことがない酒は6種類あった。まず、「辨天 純米大吟醸 生原酒 出羽燦々」からいただき、2番目に飲んだのは「ささまさむね 特別純米 生酒」だった。

「ささまさむね」はこれまで、1造り目の「ささまさむね 特別純米」(当連載【2010】)、2造り目の「ささまさむね 特別純米」(当連載【2606】)をいただいたことがある。1造り目は大人しい酒質、2造り目はやわらかいがしっかりした味わい、という印象だった。3造り目の今回の酒はいかに。

 甘みが出ている。デザートスイーツ的な独特な個性を持った甘み。これが第一印象。果実的な香りがほのか。やわらか、ふくよか、ジューシーで、全体的にはやや濃醇で、甘旨酸っぱい飲み口。甘みが出ているものの、酸が陰で利いているので、さわやかな甘みとなっている。1造り目から通して飲んでみると、3造り目が一番力強いタッチに感じた。もっとも1、2造り目は火入れで、3造り目は生酒だったので、単純比較はできないが…。

 瓶の裏ラベルの表示は「使用米 五百万石20%、華吹雪80%、精米歩合55%」。「華吹雪」は青森県農業試験場が1974年、母「おくほまれ」と父「ふ系103号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1985年に命名、1988年に種苗法登録された酒造好適米。全国的に著名な「田酒 特別純米」(青森県)や「飛露喜 特別純米 無濾過生原酒」(福島県)の原料米として知られている。

 裏ラベルは、造りのコンセプトについて、以下のように説明している。

「蔵のまち喜多方で1818(文政元年)に創業した笹正宗酒造は、お陰様で今年198年目を迎えます。大正中期に建て替えられた蔵の庭では、春になるとカッコウが鳴き、夏の夜にはほろ酔いの様なホタルが迷い込みます。木枯らしが吹き冬が近付くと、蔵へ杜氏と蔵人が集い、年に一度のお酒づくりが始まります。

2014年からの新銘柄『ささまさむね』は、若手後継者が新たな試みを織り交ぜ、熟練の蔵人4名と力を尽くして完成させました。酒+人+郷土食…良い縁を結び、みずみずしい味わいとともに幸せな時間をもたらす様なお酒を、心を込めて醸しています」

 酒名「笹正宗」の由来についてコトバンクは「笹の葉が常緑で生命力が強いとの言い伝えから命名」としている。

酒蛙