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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3602】貴 夏純米(たか)【山口県】

2018.10.21 22:56
山口県宇部市 永山本家酒造場
山口県宇部市 永山本家酒造場

【父の日プレゼント 全8回の⑦】

 父の日プレゼントとして、二男からカップ酒の詰め合わせが贈られてきた。味ノマチダヤがプロデュースしたカップ酒だ。ここ数年の恒例で、わたくしは非常に楽しみにしている。むろん、酒の種類が重複することはない。二男はぬかりなく、過去に贈ったものをチェックしているようだ。よってわたくしは毎年、違うカップを楽しんでいる。

 毎日、1個ずつ晩酌で飲み、「磐城壽 純米 海の男酒カップ」「来福 純米カップ 純米吟醸 好適米愛山使用」「早瀬浦 純米 稲穂カップ」「石鎚 吟醸 夏吟 槽搾り」「南 純米吟醸」に次いで6番目にいただいたのは「南 特別純米」だった。

 さらり、さっぱり。酸が非常に立つ。セメダイン的(わたくしの好きなベンゼン環芳香族系の芳香)かバナナ的な香りがすこしある。甘みと旨みはすくなめ。中盤から辛みが出てきて、余韻は酸・苦み・辛みに渋みも混じる。「貴」にはこれまで、しっかりとした味の甘旨酸っぱい濃醇酒のイメージがあったが、今回の酒はこのイメージとはかなり違う。これが、「貴」の夏酒なのだろう。

 次に、ぬる燗(40℃)にしていただいてみる。おっ! ちょっとした驚きだ。冷酒のときは、さらりさっぱりした飲み口だったが、ぬる燗にしたら、味に厚みがかなり増し、味幅もかなり広がった。そして、酸がさらに立ち、苦み・辛みも増し、力強い飲み口になった。

 カップのラベルには「日本の夏 貴の夏」と書かれている。ラベルの表示は「アルコール分15度以上16度未満、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合80%、製造年月2018.6」。使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「貴」の由来について、ホームページを見てみたが、説明はなかった。ただ、ホームページに掲載されている、蔵の年表を見たら「2001年(平成13年) 永山貴博が杜氏になる、2002年(平成14年) 「貴」の発売開始・全国販売の開始」という記述があった。これらから、「貴」という酒名は、永山貴博さん(現・代表取締役兼杜氏)が杜氏に就任したとき、自分の名の一文字を使った酒を開発、新商品にしたことがうかがえる。熱い心意気が込められた酒名なのである。

酒蛙

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