【3073】笑四季 貴醸酒 MONSOON 山田錦 火入(えみしき モンスーン)【滋賀】

【日本酒研究会月例会 全6回の⑥完】
異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。今回は前回同様、S、KO、Fが仕事のため欠席、4人での例会となった。
「勿来の関 純米」「若清水 純米吟醸」「望 bo: 生酛純米 無濾過瓶燗火入れ 秋田酒こまち」「金泉 白い稲妻 純米吟醸 あらしぼり」「あたごのまつ 特別純米」に続いて、店主が最後6番目に持ってきたのは「笑四季 貴醸酒 MONSOON 山田錦 火入」だった。
わたくし行きつけの居酒屋は、いずれも笑四季酒造の酒を好んで置いており、必然的に同酒造の酒を飲む機会が非常に多い。当連載で21種類を取り上げており、トップクラスの数。このうち、看板商品である貴醸酒・モンスーンシリーズは6種類取り上げている。
笑四季酒造は、常に革新的な試みを続けており、酒造業界に刺激を与えている。その姿勢に敬意を表したい。さて、今回の酒をいただいてみる。
酒蛙「わっ! モンスーンだ。懐かしい」(わたくしがモンスーンを飲むのは何年ぶりかで久しぶり)
H 「わっ! 味が残るなあ」
T 「悪くない。旨いなあ」
酒蛙「旨みたっぷり。濃醇。味が分厚い。旨いなあ」
H 「でも、甘い」
T 「甘いけど旨い」
KI「最初、重いなあ、とおもったけど、これ、いい」
T 「フルーティー」
KI「そうそう」
T 「ブドウだ、ブドウ!」
酒蛙「完熟フルーツ」
KI「ドイツの白ワインを思い浮かべる」(マドンナ、シュワルツカッツあたりか)
T 「ブドウのマスカットを感じる」
酒蛙「甘みが主体だが、飲み進めていくと、酸が出てきて爽やか感もあり、キレも良い。上品な和三盆的スイーツデザート的なきれいな甘みで、旨い」
瓶の裏ラベルの表示は「滋賀県産山田錦全量使用、精米歩合50%、アルコール分17度」。純米大吟醸クラスのスペックだ。
ところで、貴醸酒とは、どんな酒か。ウィキペディアの記述を以下に要約する。
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貴醸酒は、国立醸造試験所が、国賓の晩餐会にフランス産のワインやシャンパンが使われるのを見て、「このような場面に合う高級な日本酒として、酒で仕込んだ酒を作る」というコンセプトのもと開発したものであるが、結果的には平安時代の古文書「延喜式」(927年)に記されている宮内省造酒司による古代酒の製法「しおり」と近いものとなっている。
通常の日本酒は、米100に対して水130を使って造るが、それに対して貴醸酒は米100に対して水70と酒60を仕込み水のように使って造る。仕込み酒は、三段仕込みの最終段階である留(とめ)において、仕込み水の代わりに使われる製法が多いが、初めから終わりまですべての仕込み水の代わりに酒を用いるという、いわばより贅沢な製法も研究されている。
多くの貴醸酒が純米酒としての造りで、また長期熟成酒、生酒などのバリエーションがあるが、酒を酒で仕込むだけあって味も極めてこく、濃醇な甘みと適度な酸味やすっきりとした後味を持ち、食前酒や食後酒向きの奥行きの深い味わいを有している。