メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3077】菊正宗 しぼりたて 生貯蔵酒 ギンパック(きくまさむね)【兵庫】

2017.10.5 0:50
兵庫県神戸市東灘区 菊正宗酒造
兵庫県神戸市東灘区 菊正宗酒造

 スーパーに行くとき、つとめて酒コーナーをのぞくようにしている。今回、菊正宗のギンパックを酒コーナーで見つけた。菊正宗のピンパックは知っていたが、ギンパックは初めて。さっそく買ってみた。

 自宅に帰り、すぐ飲んだ。紙パックには「冷やして飲むように!」と教育的指導がされていたが、飲んでしまってから気づいた。後の祭り。覆水盆に返らず、いや、覆酒盆に返らず、だ。そのまま飲む。温度は、室温の約25℃。

 衝撃だった。上立ち香は、おっそろしいほどまでにフルーティー。注ぐと、辺り一帯に果実香が広がる。しかし、含み香はいくぶん落ち着く。甘い。なめらか。酸はあまり感じられない。辛みは奥にほんのすこし。アルコール添加風味をある程度感じる。超華やかな香りの、軽めの飲み口のお酒だった。

 後日、教育的指導の言いつけ通り、冷やしていただく。25℃時と違い、上立ち香の果実香は、それほど派手ではない。だが、含むと、フルーティーな含み香が一気に激しく口中に広がる。かなり衝撃的な果実香味の広がりだ。そして、甘みが瞬間的に強く感じられる。すごいアタック。しかし、短時間にいなくなる。かなりキレが良い。余韻はわずかな辛みと苦み。甘みが強いが、キレが非常に良いため、くどくは感じない。むしろ淡麗寄り。酸はほとんど感じられない。しっかりとした味わい。スーパー普通酒か。これは驚いた。

 箱にステッカーが貼られ、以下のように書かれていた。「新体験のフレッシュ感! 高評価!日本酒愛飲者の87.5%がフルーティーで『美味しい!』と評価しました。試した人から驚いています。2016.5当社調べ(n=40)」。サンプル数が40とはいかにもすくなく、いかがなものか、とおもうが、『美味しい!』はさておいて、フルーティーなことには間違いない。

 箱に「進化する日常酒で『食卓をもっと上質に』」と題し、以下のように書かれている。

「飾らない日常の酒にこそ革命を起こしたい。そんな想いがなんとも驚くべき酵母を生みだしました。低精白の普通酒でありながら、『ほとばしるような』芳醇な香りを醸し出したのです。冷やして注げば、驚きの『フルーティー感』が瑞々しく口中に広がります。どうぞ、いつもの食卓で気軽に楽しんでみてください。日常酒の概念を変える、新しい日本酒の誕生です」

 また、その下に以下のように書かれている。

【新酵母が醸す驚きの香り】

独自開発の新酵母(キクマサHA14酵母)の力が、まるで大吟醸のような際立つ香りを引き出しました。※このお酒は大吟醸酒ではありません。(酵母名は蔵ホームページから引用)

【フレッシュな風味を活かす、低温生貯蔵】

しぼりたてのお酒を生のまま低温貯蔵し、パック詰めの際に一度だけ加熱処理、フレッシュ感そのままに充填しました。

【グラスで楽しむグラスサケ】

あらかじめ冷やしておいた、お気に入りのグラスに注いで、華やかな香りとフレッシュな味わいをお楽しみください。

「※このお酒は大吟醸酒ではありません」と断っているところが、いかにもおかしく、笑ってしまった。つまり、大吟醸をおもわせるほど香りが高い、ということなのだろう。しかし、わたくしのテイスティングだと、一般の大吟醸より、今回の酒の方がはるかに果実香が強かった。

 また、パックには、この酒の飲み口や味わいなどについて「国産米100%、『冷やして』『やや辛口』『淡麗』」と書かれている。蔵のホームページによると、「原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール。アルコール度数 14~15%」。

酒蛙