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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3599】石鎚 吟醸 夏吟 槽搾り(いしづち)【愛媛県】

2018.10.20 17:33
愛媛県西条市 石鎚酒造
愛媛県西条市 石鎚酒造

【父の日プレゼント 全8回の④】

 父の日プレゼントとして、二男からカップ酒の詰め合わせが贈られてきた。味ノマチダヤがプロデュースしたカップ酒だ。ここ数年の恒例で、わたくしは非常に楽しみにしている。むろん、酒の種類が重複することはない。二男はぬかりなく、過去に贈ったものをチェックしているようだ。よってわたくしは毎年、違うカップを楽しんでいる。

 毎日、1個ずつ晩酌で飲み、「磐城壽 純米 海の男酒カップ」「来福 純米カップ 純米吟醸 好適米愛山使用」「早瀬浦 純米 稲穂カップ」に次いで4番目にいただいたのは「石鎚 吟醸 夏吟 槽搾り」だった。

「石鎚」は、今回の酒を含め4種類を当連載で取り上げている。すっきりした淡麗辛口酒という強いイメージを持っている。今回は夏酒を標榜しているから、さらにすっきりした調子の酒なのだろうか。興味津々でいただいてみる。

 まずは冷酒で。メロンのような華やかな上立ち香。含むと、同じくメロン的果実的吟醸香が口の中に広がる。さっぱりとした飲み口ながら、旨みと酸がうまくコラボして、けっこうしっかりした味わいになっている。中盤から余韻にかけては辛みが出てくる。余韻も辛み。キレが良い。「石鎚」というと、さっぱりすっきり淡麗辛口のイメージだったが、これほど香りが華やかな「石鎚」は初めてだ。淡麗辛口酒に吟醸香が加わっている感じ。

 次にぬる燗(40℃)にしていただいてみる。吟醸香が非常に華やかに広がる。まるみとやわらかみが出てくる。酸を伴う旨みも前に出てきて、余韻は辛み。冷酒のときより味の幅が広がる。

 カップの裏ラベルは、この酒を「デリシャスリンゴのような華やかな吟醸香と押し味のある酸味が調和した切れの良い吟醸酒」と紹介している。これを見て、仰天した。いまどき、デリシャスリンゴは市場流通していないから。おそらく、若い年代の人は意味が分からないだろう。この紹介文を書いた方は、かなりの年齢の方、とおもう。

 カップの裏ラベルの表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール、使用原料米 兵庫県産特等山田錦20%、愛媛県産松山三井80%、精米歩合 山田錦50%(麹米) 松山三井60%(掛米)、日本酒度+5.0、酸度1.6、使用酵母 自家培養酵母、酒造年度 平成29BY、アルコール分15度以上16度未満」。そして、表ラベルには「製造年月18.6.8」。

 掛米の「松山三井」は、愛媛県農事試験場が、母「近畿25号」と父「大分三井120号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1953年に命名された主食用米。食味が良いことから一時期、作付面積が全国1位だったこともある。しかし、大粒で粘りがすくないことから次第に衰退していった。しかし、大粒でタンパク質が少なく砕けにくい、という性質は、醸造用米としては最適。このため近年、醸造用米として注目され、いま“第二の人生”を歩んでいる。

 この酒を売っている味ノマチダヤ(東京都中野区)のサイトは、この酒を「ほのかな香りがあり、馥郁たる味わいを持つ吟醸酒」と紹介している。

 酒名および蔵名「石鎚」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「酒蔵の位置するこの地は、西日本最高峰『石鎚山』のふところで名水の町として呼び声の高い愛媛県西条市にあり、仕込み水にこの石鎚山系の清冽な水を使用、西条・周桑平野の穀倉地帯を控えており、酒造りに非常に適した気候、風土の中にあります」

酒蛙

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