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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3597】来福 純米カップ 純米吟醸 好適米愛山使用(らいふく)【茨城県】

2018.10.20 17:14
茨城県筑西市 来福酒造
茨城県筑西市 来福酒造

【父の日プレゼント 全8回の②】

 父の日プレゼントとして、二男からカップ酒の詰め合わせが贈られてきた。味ノマチダヤがプロデュースしたカップ酒だ。ここ数年の恒例で、わたくしは非常に楽しみにしている。むろん、酒の種類が重複することはない。二男はぬかりなく、過去に贈ったものをチェックしているようだ。よってわたくしは毎年、違うカップを楽しんでいる。

 今回の詰め合わせから最初に「磐城壽 純米 海の男酒カップ」、そして2番目に選んだのは「来福 純米カップ 純米吟醸 好適米愛山使用」だった。「来福」は今回の酒を含め、当連載で6種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。

 まずは冷酒で。酸がよく出ている。これが第一印象。含み香は吟醸香が果実的ほのか。旨みは適度。余韻は苦みと酸。厚みは中程度~やや軽快。口当たりは、まったりとした飲み口という「来福」のDNAを受け継いでいる。酸が出て軽快感があるので、飲み飽きしない。どの料理にも合いそう。食中酒に最適なお酒だとおもった。

 次に、ぬる燗(40℃)にしていただく。冷酒のときと違い、辛みがじわり出てくる。辛みは酸と一体化している。吟醸香が鼻腔に広がる。この吟醸香がいかにも「来福」だ、とおもわせる。

 カップの裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「数年前兵庫県の農家を訪ねて愛山の契約栽培を申し込みました。農家はなかなか返事をくれず三年かかってやっと栽培していただけました。このお米でいいお酒を造って恩返しを・・・そう思って造った日本酒です」

 裏ラベルの表示は「原料米 兵庫県産愛山100%使用、日本酒度+3、酸度1.6、製造年月2018.5」、またカップのふたの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15度」

「愛山」は、兵庫県立明石農業改良実験所が1941年、母「愛船117」と父「山雄67」を交配。太平洋戦争を経て1949年に品種を固定した。母方の父は雄町系、父方は雄町と山田錦の子という、全身に山田錦と雄町の“血”がたっぷり入っている、酒米界のサラブレッド的出自を誇る。玄米が大粒で、山田錦と同等かそれ以上の、米粒の重さと、米糠割合の少なさのため、酒造効率が良く、酒造に非常に適している、という評価が高かった幻の品種。現在は、兵庫県のごく一部の生産者だけが栽培している。

 この酒を売っている味ノマチダヤ(東京都中野区)のサイトは、この酒を「『愛山米』で仕込んだ『来福』らしさが堪能できるカップです」と紹介している。

 蔵名・酒名の「来福」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「来福酒造は、1716年(享保元年)、近江商人が筑波山麓の良水の地に創業いたしました。創業当時からの銘柄『来福』は俳句の『福や来む 笑う上戸の 門の松』に由来するものです」

酒蛙

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