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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3587】蓬莱 超吟しずく 大吟醸 雫酒(ほうらい)【岐阜県】

2018.10.13 23:07
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店
岐阜県飛騨市 渡辺酒造店

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、なぜかわたくし係になっている仲居さんが、店主おすすめのお酒を持ってきた。今回は「蓬莱 超吟しずく 大吟醸 雫酒」である。「蓬莱」は、この酒を含め、当連載で4種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。

 上立ち香は甘やか。含むと、穏やかな吟醸香が広がり、上品な甘みを感じる。くどくない甘さ。甘みは酸を伴い、ふくよか、まろやか、なめらか、ジューシー。やや甘酸っぱい味わい。余韻は苦み。味の中心は甘み。吟醸香が穏やかで、やや華やかだが、味わいに落ち着き感がある。

 この酒には「杜氏口上」と題したしおりが入っている。それを以下に転載する。

「酒は人が造り、人が楽しむものですが、その奥深さや精妙さは、まさに自然の英知そのものです。

  酒は
  自然が人間に示す
  友愛の徴だ
  随って何よりも先ず
  謙虚に
  接しなければならない
           武満 徹

 作曲家 武満 徹先生よりお贈りいただいたこの言葉を座右の銘として、私どもは酒造技術の極みを目指し日夜精進を続けております。
 この『超吟しずく』は、大寒造りの大吟醸酒の中から特に出来の良いものを選び出し、酒袋から自然に滴り落ちる雫を集めた一年の造りの極上のエッセンスです。軽やかな吟香と落ち着いた深い味わいをお楽しみいだだけるものと確信いたしております。飲用適温は7~12度」 

 瓶の裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、アルコール分15度、精米歩合35%、山田錦100%使用、製造年月30.7」。このほかホームページでは「日本酒度+5.0、酸度1.2、アミノ酸度0.8」と表示している。

 蔵のホームページでは以下のように受賞を紹介している。「ITQI世界品質審査会で94/100点の驚異的な評価を記録、日本酒として世界初の首席最優秀賞を獲得したスーパー大吟醸。モンドセレクション最高金賞受賞」

 酒名「蓬莱」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「渡邉家が酒造りを始めたのは明治3年(1870)、5代目久右衛門章でした。生糸の商いで京都に旅した折に口にした酒の旨さが忘れられず、自ら居するこの地に酒蔵を構え、旨い酒をとの一心で酒造りを始めました。
 出来あがった酒は至極好評となり、酒を愛でる宴で謡曲を謡いながら、えもいわれぬ、珠玉のしずくに酔ったと記されています。その時、謡曲『鶴亀』で謡われた『蓬莱』を銘柄として選びました。『蓬莱』は仙人が住むと云われる不老長寿の桃源郷・・・そして、『蓬莱』は人に慶びを与え、開運をもたらす縁起のよい『酒ことば』です」

酒蛙

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