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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3586】南 純米吟醸(みなみ)【高知県】

2018.10.12 22:34
高知県安芸郡安田町 南酒造場
高知県安芸郡安田町 南酒造場

 妻と久しぶりにK料理店に行く。久しぶりというのは、予約の電話を2~3回入れても満席で断られ、ずっと“入れなかった感”がするため。本当は定期的に足を運びたい店なのだが・・・。酒を飲まない妻だが、この店だけは自ら進んで行きたがる。料理が美味しいからだ。とくに刺身は、下手な居酒屋や料亭よりはるかに美味い。

 店の冷蔵庫をのぞいたら、「南 純米吟醸」があった。「南」はこれまで5種類を当連載で取り上げてきたが、なぜかスタンダードの「南 純米吟醸」は飲んでいなかった。良い機会なのでいただいてみた。

 おっ、酸が立つ。非常に酸っぱい。これが第一印象。吟醸香はほのか、果実香がある。さっぱりとした飲み口。酸の背後に甘みがすこしある。余韻は辛みと苦み。この辛みと苦みの存在感がけっこうある。夏に飲むのに適している。淡麗辛口な酒質とおもわせる一方で、旨みととろみも感じられ、総じてしっかりとした味わいのお酒だった。酸が立っており、軽快感のあるお酒なので、まったく飲み飽きしない。晩酌酒や宴会酒に最適だ。

 瓶のラベルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 松山三井100%、精米歩合50%、使用酵母 高知酵母、アルコール分17度、酸度1.8、日本酒度+8.0、製造年月2018.4」。

「松山三井」は、愛媛県農事試験場が、母「近畿25号」と父「大分三井120号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1953年に命名された主食用米。食味が良いことから一時期、作付面積が全国1位だったこともある。しかし、大粒で粘りがすくないことから次第に衰退していった。しかし、大粒でタンパク質が少なく砕けにくい、という性質は、醸造用米としては最適。このため近年、醸造用米として注目され、いま“第二の人生”を歩んでいる。

酒蛙

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