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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3581】甲州侠客傳 竹居の吃安 純米吟醸(たけいのどもやす)【山梨県】

2018.10.8 22:41
山梨県笛吹市 腕相撲酒造
山梨県笛吹市 腕相撲酒造

【日本酒研究会月例会 全6回の②】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。今回は、5人による月例会となった。Yは異動で2年ぶりに舞い戻ったため、当研究会に2年ぶりの復帰だ。

 店主がトップバッター「セトイチ いざ 純米吟醸 生貯蔵酒」に続いて持ってきたのは「甲州侠客傳 竹居の吃安 純米吟醸」だった。ともに、わたくしにとっての初蔵酒だ。わたくしは無謀にも、全国の全現役蔵の酒を飲むことを目指しており、これに店主が賛同。月例会のたびに、わたくしにとっての初蔵酒を探し出してくれている。ありがたい。感謝感激だ。

 今回のお酒は、有名な侠客・吃安を酒名にしたユニークなお酒だ。瓶の裏ラベルは、吃安について、以下のように紹介している。

「竹居の吃音(1811〈文化8〉年~1862〈文久2〉年)
 本名を中村安五郎という。八代郡竹居村(八代町)の名主中村甚兵衛の四男に生まれた。しゃべる時どもるので『吃安』と呼ばれた。
 子供の頃、家を勘当されて吉田の人斬り長兵衛に預けられたのがきっかけで博徒の世界に入った。賭博によって捕らえられ、伊豆の新島に流されたものの七年後、島を破って甲州に戻り、黒駒の勝蔵一家を引き立てた。男伊達を看板に義理と人情の世界に生き、村人からも慕われた甲州の侠客の大親分の一人である。
 そんな男達が心をかよわせ酌を交わした酒を想いながら“男の酒”をお楽しみ下さい」

 さて、いただいてみる。

 酒蛙「昭和レトロ的熟成感的クラシカル香味が、ちょっといるね」
 Y 「クラシカル香味が来ましたね~」
 H 「昭和レトロが来た。さすが侠客!」
 酒蛙「日本酒オールドファンに、ものすごく喜ばれる酒だ」
 SA「熟成酒じゃないですよね」
 酒蛙「ラベルによると、製造年月(瓶詰め)は今年7月。できたばかりの酒だ」
 酒蛙「酸味を感じ、甘みも感じる。旨みがやや抑えている。酸が立っており、やや辛口酒なので飲み飽きせず、晩酌酒や宴会酒など肩の凝らない場に適している」
 SA「一口目は驚いたけど、だんだん良くなるね」
 酒蛙「余韻が長いね。押し味がある」

 蔵のホームページはこの酒を「飽きのこない味わいで濃い味付けの料理との相性もよい。ラベルには博徒だった吃安にちなんで花札(猪・鹿・蝶)と桜吹雪がデザインしてある」。あらためてラベルをよく見ると、たしかに「イノシカチョウ」だ。おもわず笑ってしまった。こういう遊び心、大好きだ。

 裏ラベルの表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、アルコール度15度以上16度未満、製造年月30.7」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし蔵のホームページは「原料米:五百万石、アルコール度:15.5、日本酒度:+3.5、酸:1.5」と開示している。

 この蔵は、同じ侠客「黒駒の勝蔵」の名をとった酒も出している。勝蔵と吃安を合わせて「甲州侠客傳」というわけだ。

 酒名だけでなく、蔵名が腕相撲酒造という超ユニークぶり。その由来について、コトバンクは「力強い酒でありたい、この酒を飲んで強くなってほしいとの願いを込めて命名」と説明。また、笛吹市商工会のサイトは「大正13年創業。前社長が相撲・腕相撲が大好きで強かった。力強い酒でありたいという思いから、腕相撲と名銘する」と説明している。

酒蛙

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