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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3550】月山 芳醇辛口 純米 無濾過生原酒 おりがらみ(がっさん)【島根県】

2018.9.13 20:40
島根県安来市 吉田酒造
島根県安来市 吉田酒造

【K居酒屋にて 全13回の②】

 酒友の唎酒師Nさん・Dさんと半年ぶりの飲み会。いつもは、TT居酒屋で飲み会を開いてきたが、TT居酒屋が店を閉めたため、Nさん推薦のK居酒屋で開いた。酒を1合単位では出さない店で、激しいカルチャーショックを受けた。長い居酒屋人生で初めてのこと。フロアには、知識豊富な20歳代女性の日本酒ナビゲーターがいて、あれこれ教えてくれる。お酒はすべて彼女に任せて飲むことにする。

 彼女が「神蔵 七曜 純米大吟醸 無濾過生原酒」に続いて持ってきたのは「月山 芳醇辛口 純米 無濾過生原酒 おりがらみ」だった。「月山」は今回の酒を含め、当連載で4種類を取り上げているが、連載を始める何年も前のこと、「月山」について強烈な思い出がある。

 居酒屋のカウンターで、たまたま隣に居合わせた女性二人連れとたまたま月山談義。女性が「『月山』というと、山形県のお酒よね」と言ったことに、わたくしは反論。「山形の月山は山はで有名だけど、酒は出ていない。酒の『月山』というと島根県に決まっているだろうが!」。女性もわたくしも全く譲らず、その日はそれで終わったが、後日調べてみたら、女性の意見は当たっていた。山形県に「銀嶺月山」という銘柄の酒があったのだ。後年、反省の意味も込め、わたくしは「銀嶺月山」を購入、家飲み晩酌酒として使った。さて、今回の島根の月山はいかに。いただいてみる。

 D 「最初に飲んだ『神蔵』に引き続き、これも酸がある酒ですね。ちょっと辛口です」
 酒蛙「うん、酸が立っている。旨みもしっかりある。辛口であるのは間違いないが、しっかりした旨みを伴っているので、辛いだけの酒になっていないのがいい。辛みが旨みによって、カドがとれて丸くなったようなイメージ」
 N 「けっこう酸っぱい」
 酒蛙「セメダイン香的バナナ香的香りが少し感じられる。わたくしの好きな香り。個性的な香味だ。美味しいね」

 瓶の裏ラベルの表示は「アルコール分17度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、国産酒造好適米100%使用、精米歩合70%、日本酒度+9.0、酸度1.8、製造年月18.6月、仕込水 『島根県名水百選』指定水」。ここまで詳しくスペックを公開しておきながら、使用米の品種名が非公開とはこれいかに。残念である。

 酒名「月山」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「島根県安来市広瀬町-吉田酒造からのぞむ山『月山』には戦国時代における難攻不落の城として有名な富田城がありました。この地では、その年の一番良い仕上がりの酒を『月山』と名付け、一番樽(=最高の酒)として殿様へ献上していた歴史があります。この歴史背景になぞらえて『殿様へ献上していたような最高の酒を、常に造りつづける』ことを目指し『月山』と命名しました」

 

酒蛙

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