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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3548】大関 特撰 金冠(おおぜき)【兵庫県】

2018.9.12 10:03
兵庫県西宮市 大関
兵庫県西宮市 大関

【TU会例会 全9回の⑨完】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回はいつものM居酒屋ではなく、S居酒屋に場所を移した。S居酒屋は常時約200種類のお酒を抱えており、どんなリクエストにも答えられる。S居酒屋では冷酒を8種類、燗酒を2種類楽しみ、歩いて近くの焼鳥屋に転戦した。

 この焼鳥屋は、メンバーのKWさんの推薦。焼鳥屋なのに、客席に煙がもくもく来ない。というより、焼いているニオイがまったくしない。店内の雰囲気も、焼鳥屋というより喫茶店というたたずまい。とにかく上品なお店だ。

 お酒は「大関 特撰 金冠」1種類だけ。もちろん燗酒だ。この店では、お酒を注ぐ名物おじさんがいて、その技はなかなかのものだという。常連のKWさんとヨネちゃんが盛んに言うものだから、どんなものか興味津々で見た。たしかにすごかった。テーブルに置いたグラスのはるか上にやかんの口。そこから酒が落ちて来る。そして、ぴたりと止める。グラスは表面張力でお酒がぷるぷるしている。最初は、口で迎えに行かなければならない。それにしても、よくまあ、こんな注ぎ方ができるものだ。

 さて、味わってみる。温度はおよそ45℃くらいの燗酒だった。

 酒蛙「甘み、旨み、酸味、苦み、辛みがいずれも良く出ている」
 ヨネちゃん「バランスの良いお酒だねぇ~~。大手蔵の造りは上手だねぇ~~~」
 酒蛙「旨いなあ。ふくよか。甘みと酸味が特に出ている。酸が出ているので、飲み飽きしない。くいくい酒が進む。食中酒に最適だ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「厳選された酒造好適米を精米歩合70%に磨き上げ、すぐれた醸造技術で丹精込めて仕込みました。大関を代表する本醸造酒です。お酒の甘辛度のめやすとなる『日本酒度』は±0。甘さにも辛さにもかたよらない、うま口タイプです。豊かな香りと、いつまでも飲みあきしないバランスのよい味わいをお楽しみください」

 蔵のホームページはこの酒を「大関伝統の味。甘さと辛さのバランスのとれた、いつまでも飲み飽きしない旨口のスタンダードなお酒です」

 瓶のラベルの表示は「甘辛度 ふつう、濃淡度(日本酒度±0 酸度1.5)ふつう、おすすめする飲み方 5℃~45℃」。また、蔵のホームページのこの酒の表示は「アルコール度数15%、日本酒度±0、酸度1.5、精米歩合70%」

 酒名「大関」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「明治17年(1884年)、江戸時代から使用してきた商標『万両』を改めて『大関』へ。
 当時の商標は横綱の注連縄と『天下無双』の文字のある軍扇の烙印、および米俵の中へ『中井』としたる烙印を添え、さらに、『大関』の二字はその『大』の字は右上に『関」の字は左下にへ書くこととし、その上へ大小の赤色二線を引いた全形が構成されました。赤色の二線は力士の褌の図案により出たもので、図案はすべて相撲道に関するものです。
『大関』は『大出来』に通じ、また『覇者』を意味します。当時は大相撲の人気が上昇中であり、相撲の最高位と同じ名前は新しい酒銘の認知度アップにも大変役立ったものと思われます。また、明治33年に大阪で開催された大相撲の優勝力士に副賞として『大関』を送ったことも、大衆の心をつかむ巧みなイメージ戦略といえます。ともあれ、商標『大関』には、酒造業界の『大関』の地位を築いてゆこうとする、大いなる企業精神が込められているのです」

 あまりに丁寧すぎて、逆に分かりにくい説明文だ。簡単に言うと、大相撲の世界では当時、横綱が無く、最高位は大関だった。この最高位「大関」にちなみ命名した、ということだ。

酒蛙

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