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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3545】竹葉 能登牛純米(ちくは)【石川県】

2018.9.9 15:45
石川県鳳珠郡能登町 数馬酒造
石川県鳳珠郡能登町 数馬酒造

【TU会例会 全9回の⑥】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。今回はいつものM居酒屋ではなく、S居酒屋に場所を移した。S居酒屋は常時約200種類のお酒を抱えており、どんなリクエストにも答えられる。

 「原田 純米吟醸50 西都の雫 無濾過生」「竹葉 純米吟醸 冷美酒」「誉池月 夏の純米吟醸 佐香錦50 1401号酵母 生詰め 瓶火入れ」「豊賀 純米 天女のしずく 中取り無ろ過生原酒」「にいだしぜんしゅ 生酛 純米吟醸」に続いて、店の日本酒ナビゲーターが6番目に持ってきたのは「竹葉 能登牛純米」だった。

「竹葉」は、この日2回目の登場。今回のお酒を含め、当連載でこれまで7種類を取り上げている。今回の酒はラベルによると能登牛専用酒。ほかの蔵ではサバの専用酒も出すなど、近年の日本酒業界はなかなか面白い動きをしている。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 TU「酸味が・・・」
 KW「これはイケる。これは美味しい!!!」
 TU「さらっとしていて美味しい」
 酒蛙「酸が非常に立っている。旨みも十分出ており、すぐに辛みを伴う苦みが来る。吟醸香は果実香がほのか。酸が効いているので飲み飽きしない。さっぱりした飲み口なのに旨みがある。こ、こ、これは旨い! これは絶対に肉に合うはずだ」

 酸が立ちさっぱりとした飲み口なので、たしかに牛肉に合うとおもう。酸は肉の脂を洗い流してくれるような気持ちになるだろう。わたくしたちは、鶏の唐揚げと合わせたが十二分に美味しくいただいた。

 瓶の裏ラベルは、この酒がどのようにして誕生したのか、以下のように詳しく説明している。

「軽やかな酸味と深い旨味の能登牛専用酒。
能登の農業・畜産業・製造業が連携し、互いの生業によって生まれた資源を循環させ、能登牛に合わせたお酒を醸しました。米のもみ殻を畜産業が堆肥にし、酒造業が磨いた米ぬかを牛の餌に活用する。能登の風土が育んだ恵みをシェアした一本です。能登牛の濃厚な味わいに相乗するような軽やかな酸味と深い旨味のお酒に仕上げました」

 つまり、農業、畜産業、醸造業それぞれから生じる“副産物”(もみ殻、堆肥、米ぬか)を上手に利用し合って造ったお酒、ということになる。あまり例をみない、優れた試みだとおもう。これほどうまくいっている循環農業はそんなにないのではないのは?とおもう。

 裏ラベルの表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 能登産ゆめみずほ100%、アルコール分17度、精米歩合70%、製造年月2018.4」。

「ゆめみづほ」は石川県農業総合研究センターが母「ひとめぼれ」と父「越南154号」を交配。育成と選抜を繰り返して品種を固定。2003年に品種登録された食用米。「越南154号」はコシヒカリの血統で、「ひとめぼれ」も良食味品種として知られる。

「竹葉」という酒名の由来について、ホームページは以下のように説明している。

「『竹葉』という名前には、先々代当主にまつわるエピソードがあります。数馬酒造で最初の酒造りを手がけた、当時社長・数馬嘉一郎は、虎にたいへん興味を持っていました。なぜなら。虎は、当時の日本では幻の動物とされ、多くの伝説から強い者、王者の代名詞となっていたからです。また中国では酒を虎と言い、虎は笹薮を棲み家にするため酒を『竹葉』とも呼ぶそうです。そこで『酒の王者にならん』と願い、先々代は『竹葉』と名付けたと伝わります。誕生当初は『竹葉』と書いて『ちくよう』と読みました。でも地元の人々が『ちくは、ちくは』と親しみを込めて連呼してくださったので、読み方は『ちくは』といたしました」

酒蛙

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