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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3525】梅錦 山川流 純米(うめにしき やまかわりゅう)【愛媛県】

2018.8.16 21:46
愛媛県四国中央市 梅錦山川
愛媛県四国中央市 梅錦山川

【S居酒屋にて 全10回の⑥】

 Mうなぎ屋で飲み会を開いた。プロ野球デーゲーム観戦の前夜祭だ。5人でそれぞれ7種類のお酒をいただき、KとわたくしはS居酒屋に転戦した。この店は、酒友Oから紹介されたものだ。Oは、いくら飲んでも表情一つ変えない。だからわたくしは、彼を鉄仮面と呼んでいる。鉄仮面が推薦した店だから間違いはないだろう、と暖簾をくぐった。すぐに、いい店であることが分かった。

「秋鹿 純米大吟醸 レトロラベル」「小左衛門 Dessin 根っこ 生」「秀よし 純米吟醸 ひまわり」「与右衛門 夏ぎんが 純米吟醸 無濾過生原酒」「白隠正宗 純米 生酛 誉富士 ひやおろし28BY」に続いて6番目に選んだのは「梅錦 山川流 純米」だった。

 選んだ理由は「山川流」?知らないなあ。飲んでみようっと、だった。店主から「それ、梅錦ですよ」と言われ、「なあんだ。梅錦は何種類も飲んでいるよぉ」と返したものだった。ところが、調べてみたら、今回の酒を含め当連載で取り上げた「梅錦」は2種類しかない。変だ。が、すぐ理由が分かった。当連載は2010年1月からスタートしたが、その前に「梅錦」を何種類も飲んでいたのだ。とくにY居酒屋とO居酒屋が「梅錦」を好んで扱っていた。「梅錦」とはだいぶご無沙汰だが、きれい感のあるしっかりした味わいのお酒、という印象を持っている。さて、今回のお酒はどうか。室温管理のものをいただいてみる。

 店主は、このお酒を注ぐとき、「どんな料理にも合わせやすいお酒です」とミニ解説をしてくれた。

 含んでみる。若干、熟成香がある。これが第一印象。わたくしは、熟成香にかなり敏感なのだ。ふくよか、やわらかな飲み口。最初のアタックは甘みを伴う旨みだが、中盤から辛みが出てくる。酸がいない。ひとことで言うならば甘旨辛酒。中でも甘みと辛みが立つ。

「山川流」は、蔵の新しい銘柄候補。「山川流」について、蔵のホームページは「口に含んだ瞬間広がるやわらかな香り、おだやかでやさしい米の旨みが魅力の純米酒」という長いタイトルの次に、以下のコンセプトを掲載している。

「梅錦は一人の人を見つめ、その一人の人の視点でお酒を造ります。皆がおいしいという品質の酒は、味が平準化して特徴が無い酒になってしまうからです。おいしいという感動を伝えることができる個性あるお酒を造りたいと考えています。“山川流”は梅錦のこの考え方に賛同いただいた酒販店様だけに販売していただいております。梅錦・山川浩一郎の50年の酒造りの経験を礎に、杜氏・中村博が全国新酒鑑評会で金賞酒を醸す技術を駆使して誕生した『次世代に継承させる純米酒』と銘打って送り出す日本酒です」

 瓶のラベルの表示は「アルコール分15度以上16度未満、原材料名 米・米こうじ、精米歩合65%、国産米100%使用、SWEET AND SOFT TASTE、香り華やぐ」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念。しかし、蔵のホームページでは「原料米:(麹米)雄町、(掛米)ヒノヒカリ」と開示している。

「ヒノヒカリ」は宮崎県総合農業試験場作物部育種科が1979年、母「黄金晴」と父「コシヒカリ」を交配。育成と選抜を繰り返して品種を固定、1989年に命名、1990年に種苗法登録された主食用米。2014年の全国品種別作付面積ではコシヒカリ、ひとめぼれに次いでヒノヒカリは3位。

 酒名および蔵名「梅錦」の由来について、コトバンクは「酒名は、蔵が梅の産地にあったことから命名」と説明している。

酒蛙

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