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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3524】白隠正宗 純米 生酛 誉富士 ひやおろし28BY(はくいんまさむね)【静岡県】

2018.8.16 21:33
静岡県沼津市 高嶋酒造
静岡県沼津市 高嶋酒造

【S居酒屋にて 全10回の⑤】

 Mうなぎ屋で飲み会を開いた。プロ野球デーゲーム観戦の前夜祭だ。5人でそれぞれ7種類のお酒をいただき、KとわたくしはS居酒屋に転戦した。この店は、酒友Oから紹介されたものだ。Oは、いくら飲んでも表情一つ変えない。だからわたくしは、彼を鉄仮面と呼んでいる。鉄仮面が推薦した店だから間違いはないだろう、と暖簾をくぐった。すぐに、いい店であることが分かった。

「秋鹿 純米大吟醸 レトロラベル」「小左衛門 Dessin 根っこ 生」「秀よし 純米吟醸 ひまわり」「与右衛門 夏ぎんが 純米吟醸 無濾過生原酒」に続いて5番目に選んだのは「白隠正宗 純米 生酛 誉富士 ひやおろし28BY」だった。

「白隠正宗」は今回のお酒を含め当連載で6種類を取り上げている。シャープでドライ感があり、きれいな酒、というイメージを持っている。今回のお酒はどうか。室温保存のものをいただく。

 やわらか、ふくよか、辛いっ! これが第一印象。熟成香が印象的でもある。このお酒は28BY(平成28年7月から29年6月までの間に醸造)、また一般的に瓶詰めし出荷体制が整う状況を示す製造年月は平成29年11月とのタイムスタンプが押されている。醸造してから1~2年で、こんなにきれいで、しかも主張するほど熟成香が出るものか、と驚く。生酛仕込みにしては酸はあまり出てこない。辛みが立つ。ドライ感もある。キレが良い。飲み飽きしない食中酒である。

 瓶の裏ラベルの表示は「使用米 静岡県産誉富士100%、麹米 誉富士 精米歩合65%・掛米 誉富士 精米歩合65%、酵母 静岡酵母NEW-5、アルコール分17度」。

「誉富士」は静岡県農林技術研究所が1998年、酒米の王者「山田錦」にガンマ線を照射して得た突然変異株10万粒の中から選抜したもの。2009年に品種登録された新しい酒造好適米だ。

 表ラベルの海藻画は強烈なインパクトを与える。わたくしがこの酒を選んだのも、このあやしいラベルに惹かれたからだ。しかし、瓶の裏ラベルには、なぜ海藻なのか、についてまったく説明されていない。消費者が「おやっ」とおもうことについては、ラベルで説明する責任があるとおもう。

 この海藻画について、東京都東村山市の日本酒販売「水新酒店」のサイトが以下のように説明している。「【海藻ラベルについて】沼津市の目の前に広がる世界一深い海『駿河湾』には世界一多数の海藻が生息しています。ひやおろしのラベルには海藻アートの地元アーティスト橋本光央氏の作品を使用させて頂いております」

 主銘柄「白隠正宗」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「明治17年、臨済宗中興の祖と称えられた白隠禅師に朝廷より正宗国師の国師の諡号(しごう)が与えられる事になった際、勅使として松蔭寺を訪れた山岡鐵舟が出された酒の旨さにし正宗国師の正宗(せいしゅう)と清酒(せいしゅ)をかけて『白隠正宗(ハクインマサムネ)』と銘名」

酒蛙

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