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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3519】菊鷹 雌伏 山廃純米 無濾過生酒(きくたか)【愛知県】

2018.8.12 22:24
愛知県稲沢市 藤市酒造
愛知県稲沢市 藤市酒造

【Mうなぎ屋にて 全5回の⑤完】

 飲み仲間5人で、プロ野球デーゲームを観戦することになった。当然のことながら、前夜祭。つまり、試合にかこつけての飲み会だ。場所は、時々利用しているうなぎ屋さん。ここの女将さんの、酒のテイスティング能力は、半端ないって、だ。それに美人だし。だから暖簾をくぐる。

 女将さんが「いづみ橋 夏ヤゴ MOMO 13 純米 生酛」「山和 特別純米 中取り原酒 Rock」「篠峯 ろくまる 雄山錦 純米吟醸 夏色生酒」「山吹極 純米 夏の純米食中酒 無濾過本生」に続いて持ってきたのは「菊鷹 雌伏 山廃純米 無濾過生酒」だった。

「菊鷹」は、今回の酒を含め、当連載で5種類を取り上げているが、いずれも、酸がシャープで太くて強い、しっかりした味わいの濃醇酸味酒、という強烈な印象を持っている。酸味酒が好きなわたくしとしては、ほとんど文句なしモードの銘柄である。

 今回も、5種類の酒の中で、これが一番濃くて力強いだろう、と当たりをつけ、「菊鷹」を最後に飲むことにした。「菊鷹」を最初に飲むと、後に続く酒は水のように感じられることはほぼ間違いないところで、後続の酒の名誉のためにも、「菊鷹」を最後にもってきた、というわけだ。さて、いただいてみる。

 甘旨酸っぱくて濃醇。いずれの味要素も半端なく出ている。これが第一印象であり、これがすべてだった。予想通りの味わいだった。飲み手を裏切らないお酒というのは、実に実にうれしいものだ。香りは果実香が適度に出ている。フレッシュ感のある酸がいい。旨みたっぷりで、分厚くて力強い。だけどキレが非常に良い。温度がすこし上がると、酸と甘みが前に出てくる。そして、ふくらみが増す。余韻は酸と軽い苦み。これは旨い!

 瓶の裏ラベルの表示は「使用米 酒母米 兵庫山田錦 掛麹米・掛米 兵庫フクノハナ、精米歩合65%、アルコール分17度、日本酒度+10、酸度/アミノ酸2.5/1.5以上、使用酵母 協会7号」。

「フクノハナ」は農水省東北試験場栽培第一部作物研究室が1959年、母「奥羽237号」と父「東北76号」を交配してできた品種で、1966年に命名された。

 それにしても、酒名副題の「雌伏」って、何だ??? およそ酒名にふさわしくない言葉を、あえて使ったのには、わけがあるからだとおもう。その理由を裏ラベルにきちんと書いてほしい。これじゃ、まったく分からない。蔵元さんだけ分かってもだめだ。飲み手は、こんなところにイラっとくる。

酒蛙

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