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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3514】手取川 純米吟醸 石川門 生原酒(てどりがわ)【石川県】

2018.8.10 10:56
石川県白山市 吉田酒造店
石川県白山市 吉田酒造店

【B居酒屋にて 全7回の⑦完】

 夕方、ふらりとなじみのB居酒屋へ。冷蔵庫にそろそろ新しい酒が入っているのではないか、とおもったからだ。冷蔵庫を見たら、何種類か、開栓前の酒が収まっていた。

 その中から「Ohmine 純米吟醸」「東洋美人 吟醸 山田錦」「丈径blue 純米 本生 無濾過」「旭興 雄町 純米」「賀茂金秀 特別純米 辛口」「みむろ杉 夏純 生詰」と飲み進め、最後7番目に選んだのは「手取川 純米吟醸 石川門 生原酒」だった。

「手取川」は、今回のお酒を含め、当連載で13種類を取り上げている。飲む機会が多い酒だが、大人しくて、主張を抑え、万人向けをめざしている味わい、という印象を持っている。このお酒はどうか。いただいてみる。

 穏やかな甘みをまず感じる。甘みは旨みを伴う。「手取川」のDNAとも言うべき、やわらかで、やさしいタッチ。フレッシュ感がある。酸は出ているが、甘旨みとは融合せず、それぞれ味が出ている、というイメージ。味の中で甘みが残り、余韻は甘みと酸味。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「酒米『石川門』は県内の研究者、米生産者、酒造業者の連携のもと開発された良質の酒造好適米です。テロワール化への第一歩となる『石川門』で仕込まれたお酒は爽やかでピュアな香りと旨み、そして洋梨をかじったようなジューシーな味わいが特徴のお酒です。よく冷やしてお飲み下さい」

 裏ラベルの表示は「原料米品種 麹米 石川門100% 掛米 石川門100%、精米歩合 麹米50% 掛米60%、アルコール分16度」。

 石川県酒造組合連合会の「酒米石川門」のホームページは、「石川門」開発の歴史について、以下のように紹介している。

「うまい酒を造るために特別に育成された、石川オリジナル品種の酒造好適米、それが酒米石川門です。『石川独自の米で、石川でしか造れない酒を造る』という長年の夢を現実のものにした酒米石川門は、石川の酒造会社、米生産者、農業研究者のコラボレーションから誕生しました。十数年の歳月をかけた品種改良や試験栽培の結果、酒米の命ともいうべき心白が極めて大きい、吟醸酒づくりにも適した、高品質の酒造好適米が生まれたのです。

 平成20年、酒米石川門は酒づくりに理解のある4軒の酒米農家で栽培され、収穫された米は6社の酒造会社で米の味がしっかり伝わる純米酒や純米吟醸酒になりました。そして平成21年には、酒米づくりは石川県内5つのJAへ、酒づくりは14の酒造会社へと、石川門の輪は着実に広がっています」

 また、石川門の特徴として、(1)石川県での栽培に適している(2)早生品種/短棹で倒伏しにくい(3)吟醸酒向きの品質を有している(4)粒が大きい(五百万石よりも大粒)/心白が大きく、心白発現率が高い-の4点を挙げている。

 同ホームページには、「石川門」の系譜が示されている。それによると、「石川門」は、母「石川県育成系統予236」と、父「一本〆」を交配させて開発した、という。「石川県育成系統予236」は母「五百万石」と父「フクヒカリ」を交配させて開発。また「一本〆」は母「五百万石」と父「豊盃」を交配させて開発された。いってみれば「石川門」は、「五百万石」や「豊盃」の孫ということもできる。

 酒名「手取川」の由来について、蔵のホームページは「手取川の伏流水を使っている」としている。

酒蛙

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