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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3510】丈径blue 純米 本生 無濾過(たけみちブルー)【島根県】

2018.8.7 22:39
島根県東出雲町 王祿酒造
島根県東出雲町 王祿酒造

【B居酒屋にて 全7回の③】

 夕方、ふらりとなじみのB居酒屋へ。冷蔵庫にそろそろ新しい酒が入っているのではないか、とおもったからだ。冷蔵庫を見たら、何種類か、開栓前の酒が収まっていた。

 その中から「Ohmine 純米吟醸」「東洋美人 吟醸 山田錦」と飲み進め、3番目に選んだのは「丈径blue 純米 本生 無濾過」だった。「丈径」は、この蔵の主銘柄「王祿」に対し、サブ銘柄的な存在。「丈径」とは、杜氏さんの名前である。今回の酒を含め、当連載で「丈径」を3種類取り上げている。濃醇酸味フルボディー酒という好印象を持っている。今回のお酒はどうか。

 甘旨酸っぱい。甘旨みがたっぷり。パンチがあり、力強い。木のような、菌類のような含み香がいい。酸がけっこう出ており、味全体を酸が支配しているようなイメージだ。旨いっ!

 蔵のホームページは、「丈径blue」の誕生までのいきさつを、以下のように説明している。

「丈径をこの世に出して丸20年が過ぎた。初めての1本は、小さな?タンクだった。淡麗辛口全盛の頃、重くて味が多くて自己主張ばかりする酒。それが私の初めて造った酒だった。
 あれから丸20年、毎年醪は暴れに暴れ、組み伏すのに難儀する。醪の段階から強烈な個性を主張し続ける丈径を進化させ、現在の味に到達した。
 4年前、この固有の個性をさりげなく主張しながら、爽やかでなおかつ呑み疲れない度数(15度台)の酒が欲しい。そう思うようになり、また、試行錯誤を繰り返すこととなった。
 そして、奇しくも27BY。着々と作付面積を増やしてきた地元東出雲町の山田錦が、近年希に見る豊作の年だった。
溪も超王祿も、需要と供給のバランスを崩し、出荷制限をかけていた時期だった。既にご承知の通り、東出雲町産の山田錦を全量使用した超王祿は、毎年平均仕込み2本を醸している。そうだ、この米で、地元東出雲の山田錦で溪を造ろう。
 当然どのタンクも同じだが、仕込み始めから理想的なBMD曲線を描いて、溪になるよう完璧な操作をした。直汲みを口に含んだ瞬間、予期していた事がやはり起こっていた・・・それでも、強引に原酒を全て15.3%に加水し、氷温での熟成を開始した。6月、熟成期間を終えて出来上がった溪本生は、溪本生ではなかった。
 それは、明らかに丈径だった。
 2016年9月。王祿特約店(チーム王祿)全店に集まってもらった席で、初めて披露した。溪の(青みを帯びた透明)ボトルに入った丈径。いつの間にか僕の大切な人たちはこう呼ぶようになった。『丈径blue』の誕生である」

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 東出雲町産山田錦100%使用、精米歩合55%、アルコール分15.5%、日本酒度+6.2、酸度1.8、杜氏名 石原丈径、仕込み水 自然湧水 通称“黄金井戸”」。

 裏ラベルに3人の男性が水田に立っている写真が掲載されており「生産農家【山田の案山子】のみなさん」とのキャプションがつけられている。

 酒名と蔵名「王祿」の由来について、コトバンクは、以下のように説明している。「酒名は、『酒は天の美禄』との中国のことわざに由来。美禄の中でも王者の風格を持つ酒でありたいとの願いを込めて命名」

酒蛙

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