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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3496】一乃谷 UNO 純米吟醸 生原酒 斗瓶採り(いちのたに)【福井県】

2018.7.28 22:38
福井県大野市 宇野酒造場
福井県大野市 宇野酒造場

【Z料理店にて 全5回の③】

 夕方、ふらりと近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないだろう酒を用意してくれるから、月に1回は訪れ、その厚意に報いなければならない。店主としても、わたくしに餌を与え、定期的に訪れるように、との深慮遠謀。それが見え見えなのが楽しい。

 カウンターを前にして座ると、仲居さんが、いきなり10本ほどの1升瓶をずらりと並べた。わたくしはその中から、飲んだことがない酒5種類を選ぶ。店主は、その5種類の出す順番を決めてほしい、という。順番を書いたメモを渡し、「初孫 美咲 生酛純米大吟醸」「津島屋 純米吟醸 廣島産八反錦 無濾過生原酒」の順で飲み、3番目にいただいたのは「一乃谷 UNO 純米吟醸 生原酒 斗瓶採り」だった。

「一乃谷」は、当連載で「一乃谷 暁 大吟醸」(当連載【826】)、「一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒 完美」(当連載【1030】)の2種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。

 旨みを伴う甘みがあり、ふくよか。紙とか木とか菌類のようなイメージの含み香。ほど良い吟醸香。飲んでいると、酸がすこし出てくる。酸が出てくるとともに、甘みが隠れがちになる。そうおもったが、やっぱり甘みが前に出ている。すっきり・軽快感もある。

 裏ラベルの表示は「原料米 越のしずく、精米歩合50%、アルコール度数17度、日本酒度+1.5、酸度1.3、杜氏 南山幸男(能登杜氏)」。

「越の雫」は、1988(昭和63)年に出願者のほ場(福井県大野市)で、「兵庫北錦」に「美山錦」を交配し、1990(平成2)年に選抜を行い、以後、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2003年に品種登録された酒造好適米。

 酒名「一乃谷」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「明治以前、酒に名前がなく、屋号である『麦屋』の酒として販売されていました。その頃、越前の国には、『くまがい茶碗』という霜降り図柄の酒盃があり、人々はその酒盃に酒を注ぎ、立ち飲みを楽しんでいたといいます。
そんなある日、この地に立ち寄った京都の俳人に、『くまがい茶碗』に注いだ『麦屋』の酒を差し出したところたいそう喜び、帰り際、屋号の『麦屋』と『くまがい茶碗』をもじって、『麦屋の酒は一乃谷、くまがい(熊谷)で飲めばいつもよしつね(義経)』と、短冊に一首示して立ち去りました。以後、酒名を『一乃谷』と命名。現在に至ります。
※『くまがい』は一ノ谷の合戦で活躍した熊谷直実と『くまがい茶碗』をかけております」

 酒名の「UNO」は、一瞬、あのカードゲームの「UNO」かとおもったが、よく見たら、蔵元さんの名字だった(苦笑)

酒蛙

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